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治安部隊
第2章 ワタシノ ハジメテ
数ヶ月後。
お母さんは彼氏をウチに連れてきた。

金子さんじゃない別のオトコの人。
この日は私は追い出されず、お母さんとお母さんの彼氏、私の3人でご飯を食べた。

でも、お母さんは彼氏ばっかりに話しかけていて、やっぱり面白くなかった。
…金子さんだったら良かったのにな。




その日、お母さんの彼氏はウチに泊まることになり、二人はお酒をたくさん飲んで上機嫌。
私なんかいない方がいいよね。


私は夜風に当たってくると言って外に出た。
いつもの公園。ここに来ると胸がギュッと苦しくなる。



「あれ?千里ちゃん?」


突如声をかけられて振り返ると、そこにいたのは金子さんだった。


『金子さん…。』
金子さんを見た私は、なぜか勝手に涙が溢れて止まらなくなった。
金子さんは私の隣に静かに座って頭に手を添えて引き寄せ、私は金子さんの腕にもたれかかるような体勢になる。

何も聞かずにただ頭を撫でてくれる金子さん。
私は金子さんのスーツにしがみつき、声をあげて泣いた。


…どうして…どうしてお母さんは私を見てくれないの?愛してくれないの…?


声にならない心の叫びを察してくれているのか、金子さんは何も言わなかった。
頭を撫でてくれる金子さんの腕は力強いのに優しくて、かすかに震えているような気がした。
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