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芦屋洋館秘話 ハウスメイドの献身ご奉仕
第3章  ハウスメイド 有香

陽一も、バスタブで有香の横に足を投げ出し、手を後ろに突いて、天井を見上げて座った。 「僕は有香さんが言うほど優しくないかもしれない。時々、無性に乱暴なことをしたり、人をいじめてみたくなる時があるんだよ。あなたも愛育院育ちで分かるだろうけど、子供の頃から周りの人に気を使って、いつも優しい人でいようと思い込んでいるだけかもしれない。それが知らない間にストレスになっているのかな。いつもあなたを<はけ口>にしているようで、すまないね。」

「いいえ、ご主人様は根っこからお優しいしい方です。初めて寝室にご奉仕にあがった日のことが忘れられません。この右腰にある大きい赤いアザが子供の頃からコンプレックスで、ご主人様からシャワーにお誘いがあった時、私がそのことを申し上げて、<明るい所で裸はお見せできません>と泣いてしまったら、ご主人様は、<ちょうどいいからそのエプロンを腰に巻いて一緒に入ろう>と仰って下さいました。ベッドでも、腰が隠れるようにスリップを着たままでいいからって。あの時から、私はご主人様がお望みなら何でもしようと心に決めたんです。<はけ口>が必要な時は、どうぞ有香をいじめて下さい。」

 陽一は胸が詰まって、それ以上言葉を継げず、 「寝室にもどって水分補給するかな。」 とだけ言って浴室を出た。
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