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ホップステップ
第6章 投げる幸子
夜になる
幸子は晴れて明日退院となり
身の周りのものを整理していた
松下も見舞いに来ていた家族が帰ると
幸子に話しかけてくる
「嫁の前で吉村が見てた動画流しちまったんだけど。履歴消しとけよな。」
「ああ、ごめんごめん。」
幸子は謝りながらも笑ってしまう
確かタイトルは
‘’病室でまさかこんなこと‘’
だったはず
タイムリーなネタだなあ
「で、そのあと奥さんと盛り上がったの?」
「んなわなけあるか。」
松下も笑う
こうして隣同士のベッドで笑うのも今日が最後だ
松下は打ち所が悪く
明日は手術となっていた
幸子は松下のベッドに腰掛ける
「生きてよね。あんたいないと寂しいから。」
「よっしゃ退院したらホテル行くか~!」
「嫌だし。」
幸子も笑う
「あたし、まっつんと居ると楽しい。」
「よっしゃ楽しく不倫すっかぁ。」
松下はふざけてはいるが
声に元気がない
幸子の太ももを触りながら言う
「成功確率50パーらしい。」
「へ?」
「失敗したら記憶欠けるってさ。」
幸子は急に深刻な顔になる
「あたしがあの時話しかけたから、、」
泣き出す
「あ~また泣いて。向こうから突っ込んで来たんだからさ。吉村のせいじゃないから。」
涙が止まらない
「まっつんの記憶なくなったらあたし、あたし、、」
「その時はまた、誘惑してよ。」
「なんで茶化すのよ~。人が心配してんのに。」
松下が上体を起こして泣きじゃくる幸子を抱き締める
本当に泣きたいのは松下のはずなのに
勇気付けられない自分が情けなかった
「今までありがとな。お前が居たからここまで来れた。」
「そんな別れ、みたいなこと言わないでよ。」
髪を撫でられる
もういつキスしても良いのに
幸子は泣きすぎて心がぐちゃぐちゃになっていた
二人ともしばらくの間抱き合っていた
幸子が泣き止む
松下が離れてまた仰向けになる
「落ち着いた?」
「優しくしないでよバカ。」
松下が笑って幸子の手を握る
言葉を交わさなくても通じていた
「うちらこんなに近くにいてなにもしないの凄くない?」
「最高記録だよなぁ。飲み会とかでも至近距離でもなにもしなかったもんなぁ。」
「我慢比べだったよね~。距離近すぎて周りにおろおろされるの楽しんでた。」
二人は夜が明けるまで語り明かしたのだった
幸子は晴れて明日退院となり
身の周りのものを整理していた
松下も見舞いに来ていた家族が帰ると
幸子に話しかけてくる
「嫁の前で吉村が見てた動画流しちまったんだけど。履歴消しとけよな。」
「ああ、ごめんごめん。」
幸子は謝りながらも笑ってしまう
確かタイトルは
‘’病室でまさかこんなこと‘’
だったはず
タイムリーなネタだなあ
「で、そのあと奥さんと盛り上がったの?」
「んなわなけあるか。」
松下も笑う
こうして隣同士のベッドで笑うのも今日が最後だ
松下は打ち所が悪く
明日は手術となっていた
幸子は松下のベッドに腰掛ける
「生きてよね。あんたいないと寂しいから。」
「よっしゃ退院したらホテル行くか~!」
「嫌だし。」
幸子も笑う
「あたし、まっつんと居ると楽しい。」
「よっしゃ楽しく不倫すっかぁ。」
松下はふざけてはいるが
声に元気がない
幸子の太ももを触りながら言う
「成功確率50パーらしい。」
「へ?」
「失敗したら記憶欠けるってさ。」
幸子は急に深刻な顔になる
「あたしがあの時話しかけたから、、」
泣き出す
「あ~また泣いて。向こうから突っ込んで来たんだからさ。吉村のせいじゃないから。」
涙が止まらない
「まっつんの記憶なくなったらあたし、あたし、、」
「その時はまた、誘惑してよ。」
「なんで茶化すのよ~。人が心配してんのに。」
松下が上体を起こして泣きじゃくる幸子を抱き締める
本当に泣きたいのは松下のはずなのに
勇気付けられない自分が情けなかった
「今までありがとな。お前が居たからここまで来れた。」
「そんな別れ、みたいなこと言わないでよ。」
髪を撫でられる
もういつキスしても良いのに
幸子は泣きすぎて心がぐちゃぐちゃになっていた
二人ともしばらくの間抱き合っていた
幸子が泣き止む
松下が離れてまた仰向けになる
「落ち着いた?」
「優しくしないでよバカ。」
松下が笑って幸子の手を握る
言葉を交わさなくても通じていた
「うちらこんなに近くにいてなにもしないの凄くない?」
「最高記録だよなぁ。飲み会とかでも至近距離でもなにもしなかったもんなぁ。」
「我慢比べだったよね~。距離近すぎて周りにおろおろされるの楽しんでた。」
二人は夜が明けるまで語り明かしたのだった