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ホップステップ
第12章 翔んだフィナーレ
在宅勤務が続いて久々に事務所に出勤すると
社長室に呼び出される

なんだろう

「失礼します。」

ドアを開けると奥に座っている香の前に背の高い男性が立っている

新しい男優さんの面接かな?

近づくと向こうが振り向く
三原だった

「こんにちは。」

快活な声だ

「こんにちは。」

三原とは例のパンツを返してもらって以来だった

「さっちゃんに話があるんだって。あたし外そうか。」

香の派手なネイルが光らせて腕を組んでいる
雌豹のようだ

「いや、香も聞いててほしいんだ。」

なんだろう

幸子はやりかけの仕事が気がかりで
とっととここを出て事務処理を再開したくなっていた
仕事中に元彼に会おうが優先順位は変わらない

「実は、人事部から新しいポストの話が来てるんだ。是非女性にとね。」

キョトンとする
人事部ってなにそれ?美味しいの?

「幸子さん、、にどうかとね。僕が推薦するよ。」

三原は元妻の手前さん付けで呼ぶ

「なーに今さら気ぃ使ってんのよ。京介、まだ話あんじゃないの?」

香りが足を組み直す
見惚れるほど綺麗な足
社長の足だ

「それから、、幸子。」

今度は呼び捨てに戻る

「僕と、その、、。」

言葉に詰まっている
ふと壁に貼ってあるポスターに目をやる
ああ、新人さんだわ
この子昨日スキャンダル起こしたから張り替えないと

「結婚してほしい。」

ポスターに目を向けたまま視界が止まる

へ?

「もーお京介ったら赤くなっちゃって。」

香が新作のオモチャのボタンをonoffしながら話す

今、あたしプロポーズされたんだ

香の動かすアソコの形のオモチャのバイブ音を聞きながら幸子は我に返った

「うちの看板娘なのよ。傷つけたら承知しないからね。」

香がそのオモチャで三原の脇腹を突っつく

「う、、香、、証人になってくれないか?」

「あ~婚姻届けのやつね。良いわよ。」

幸子の返事も聞かず元夫婦が話を進める




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