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ホップステップ
第2章 ほぐしてほぐして
「いっいたたたた。」

「凝ってますねぇ。」

今日はバイトが休みで整骨院に来ていた
慣れない立ち仕事に
幸子は腰を痛めていたのだ

「お仕事何されてるんですか。」

男性スタッフが幸子の腰を押しながら聞いてくる
幸子が特にお気に入りの若くてイケメン

「あ、そこ、気持ちいいです!」

幸子は痛いところを上手く押されて呻く

「事務仕事を、、しています。」

「ああ~ずっと同じ姿勢ですからねぇ。」

ここでしか会わないのだから嘘をつこうが自由だわ

施術が終わってお会計を済ませる
ふと、財布を見ると星野香の名刺が見えた
お返事しなくちゃ

こんな自分をグラビアで使ってくれるなんて
またとないチャンスだ
だけど幸子は書くことへの野望が捨てきれないでいた

「では吉村さん、来週もお待ちしてますね。」

「あ、予約何時でしたかね?」

「紙に書きましょうか。」

先ほどのイケメン整体師が予約時間を書いた紙を渡してくれる

「お大事に。」

幸子は紙をポケットに入れて外に出る
忘れないうちにと
香の名刺に書いてある番号にかけた

「はい。ミチミチル事務所です。」

「あのぉ、吉村と申しますが、香さんはいらっしゃいますか。」

「あら、こんにちは吉村さん♪」

幸子だとわかった瞬間に香の声が変わる
こんなに愛想良くされているのに断るのが申し訳なくなった

「あのぉ、この間のお話なのですが、、やはり私、ライター志望でして。。グラビアはお断りしようかと、、」

「そっかぁ。それは残念。」 

「ごめんなさい。こんな私のために。。」

「何言ってるの!あなたは魅力的よ!オッパイだけじゃない!お尻もその声も!その童顔も!」

幸子は急に部位をたくさん誉められて赤くなる

「じゃあさ、ライターとは少し離れるかもだけど、在宅でできる仕事はどーお?」

在宅という言葉に幸子は少しそそられる

「うちね、女性向けのAV事業も始めたのよ。動画の紹介文とかカスタマー対応とかしてもらえないかしら?私もさすがにそこまで手が回らなくてね。どう?」

AVと聞いて幸子はのけ反る
さすがにそちらの知識は乏しい

「お試しでやってみてさ、向かないなら辞めてもいいわ。」

香が詰めてくる
幸子が黙っていると

「もしかして、京介のこと気にしてるの?」

「えっ?」

「あなた、京介と寝たでしょ?」
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