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私じゃなくても
第1章 隣の部屋
部屋に入って
まず目に飛び込んできたのは
割れて飛び散った
ガラスの破片。
慌てたワンちゃんが
割ったものやろう。
それを避けるようにして
台所を通り過ぎると
顔を真っ赤にした
赤ちゃんが目に入った。
たしか……千華ちゃん言うてたな。
千華ちゃんは
マジ、ギャン泣きで
そんな赤ちゃんを見たことのない俺は
手も足も出ぇへん感じやった。
するとワンちゃんは
「病院へ電話します」
と、なぜか俺に報告し
携帯を耳に当てながら
片手でミルクの準備を始めた。
手伝うといいながら
なんもできへん俺は
とりあえず
危なっかしいガラスの破片を
そばにあった新聞紙で
片付けを始めたんやけど
その間も千華ちゃんは
まだギャン泣き
ほんま大丈夫なんか?
心配すぎて
俺が泣きそうやんけ……。
と、ちょっと弱気になってると
電話を終えたワンちゃんは
「す、すぐ来て下さいって」
と、また俺に報告をしてくれた。
「あ、よかった。
ほな車で」
「あ、いえ、タクシーで」
ん?タクシー?
こーゆー時タクシーなんか?
時間、かからへん?
駐車場に奥村さんの車
停まってるし
それで行ったら早いんちゃう?
「車で行かないんですか?」
「私、運転できないんです」
ま、マジか!!
「だからタクシーで。今から電話を」
「いやいやいや
そんなモタモタしてたら
時間かかるやないですか。
それやった俺の車で」
するとワンちゃんは
驚いた顔をしたあと
俺に大きく首を振ってみせた。
「そんなこと頼めません。
タクシーで大丈……」
その時
また千華ちゃんの泣き声が大きくなり
ワンちゃんは慌てて
千華ちゃんを抱き上げた。
こんな可愛そうな赤ちゃん
ほっとかれへんやん!
「俺は車の準備するから
ワン、あ、いや
奥村さんは出かける準備してください」
するとワンちゃんは
泣きそうな顔で
千華ちゃんを抱いたまま
頭を下げた。
それから俺は急いで部屋に戻り
財布と携帯
そして車のキーを持って
また部屋を飛び出した。
まず目に飛び込んできたのは
割れて飛び散った
ガラスの破片。
慌てたワンちゃんが
割ったものやろう。
それを避けるようにして
台所を通り過ぎると
顔を真っ赤にした
赤ちゃんが目に入った。
たしか……千華ちゃん言うてたな。
千華ちゃんは
マジ、ギャン泣きで
そんな赤ちゃんを見たことのない俺は
手も足も出ぇへん感じやった。
するとワンちゃんは
「病院へ電話します」
と、なぜか俺に報告し
携帯を耳に当てながら
片手でミルクの準備を始めた。
手伝うといいながら
なんもできへん俺は
とりあえず
危なっかしいガラスの破片を
そばにあった新聞紙で
片付けを始めたんやけど
その間も千華ちゃんは
まだギャン泣き
ほんま大丈夫なんか?
心配すぎて
俺が泣きそうやんけ……。
と、ちょっと弱気になってると
電話を終えたワンちゃんは
「す、すぐ来て下さいって」
と、また俺に報告をしてくれた。
「あ、よかった。
ほな車で」
「あ、いえ、タクシーで」
ん?タクシー?
こーゆー時タクシーなんか?
時間、かからへん?
駐車場に奥村さんの車
停まってるし
それで行ったら早いんちゃう?
「車で行かないんですか?」
「私、運転できないんです」
ま、マジか!!
「だからタクシーで。今から電話を」
「いやいやいや
そんなモタモタしてたら
時間かかるやないですか。
それやった俺の車で」
するとワンちゃんは
驚いた顔をしたあと
俺に大きく首を振ってみせた。
「そんなこと頼めません。
タクシーで大丈……」
その時
また千華ちゃんの泣き声が大きくなり
ワンちゃんは慌てて
千華ちゃんを抱き上げた。
こんな可愛そうな赤ちゃん
ほっとかれへんやん!
「俺は車の準備するから
ワン、あ、いや
奥村さんは出かける準備してください」
するとワンちゃんは
泣きそうな顔で
千華ちゃんを抱いたまま
頭を下げた。
それから俺は急いで部屋に戻り
財布と携帯
そして車のキーを持って
また部屋を飛び出した。