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私じゃなくても
第1章 隣の部屋
それから俺は
まず
奥村さんの車から
チャイルドシートを取り外して
自分の車に装着。

こんなとこで
姉貴の手伝いをしてたことが
役に立つとは……

よし、これでOK。

準備ができて
ワンちゃんを迎えに行こうとすると
大きなバックを肩にかけたまま
千華ちゃんを抱っこしてるワンちゃんが
駐車場に姿をあらわした。

「こっちこっち」

俺は急いで
ワンちゃんに駆け寄り
重そうにしてるバックを手に取った。

そして
「早う乗って」
と、後部座席のドアを開けると
ワンちゃんは
千華ちゃんを
とても…とても大事そうに
優しくチャイルドシートに寝かせた。

相変わらず
千華ちゃんの顔は赤く
ワンちゃんは
深刻な表情。

なんでもなければえぇねんけど。
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