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ハーレムに咲く華達
第5章 エルシェ
私は慌てて、頭を下げた。

「政治の事を勉強しろと仰るのなら、今から父に教えて貰います。」

「ああ、いいんだ。女が政治を知っていると、困る時がある。」

「でも、皇太子妃にとっては、必要な知識では?」

「そう思うのなら、勉強しろ。」

一体、どっちなの?

私が困っている間に、殿下は行ってしまった。


「エルシェ、おまえ乗り気だったな。」

「私が乗り気にならないと、父上が困るでしょ。」

「それもそうだ。」

今日分かった事は、二つ。

皇太子妃の候補は、私の他にもいると言う事。

そして、殿下はあまり私に興味がないみたい。

「はぁー。」

あんな美しい人に愛される人って、どんな人なんだろう。

私はまた、窓辺に腰を下ろして、外を眺めた。
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