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エイコー五霞餅ぷらざ
第1章 1
私は校舎の向こうに聳える奇怪な遺跡を鉛筆で指した。岬の灯台に人型のような物が覆いかぶさっている。正確には石廊崎灯台にセーラー服を着た巨人が縋り付いていて、しかもその衣服は途中でジェル状の海になっている。巨人らしき生物は生きているか死んでいるかわからない。彼女(?)は黒髪を肩まで垂らした女子高生に見える。目は閉じていて灯台の先端に顔を突き刺すようにうつむいている。そしてスカートのひだがぐるっと灯台を包むように回り込んでいる。物体の高さは女子高生の頭を含めて40メートルくらいか。そして極めつけは灯台と女子高生の周囲は干上がっていること。20年前の大地震で大陸棚が隆起したのだ。それ以外の詳細は転校生である私にはわからない。これが「エイコー五霞餅ぷらざ」と呼ばれている怪物体にまつわる私の予備知識すべて。まずは掃除用具入れの中から雑巾を取り出して濡れていない床を拭く。それから雑巾を置いて机の中に入っていた教科書とノートを取り出す。そして新しいページを開いてペンケースの中に入っていたシャープペンシルで書き始める。
書いた文字はたった一文だけだ。――あなたたちの顔なんて見たくない それを黒板に向かって書くと私は自分の席に戻った。すると今度は私の席の周りに人が群がってきた。クラスメイトたちは私の顔を見てクスクスと笑い始めた。その様子はまるで私がいじめられているみたいだった。いや、実際にそうなんだろう。「エイコー五霞餅ぷらざ」もいじめられた宇宙人なのだろうか。罰ゲームをさせられているのだろうか。そう考えるとわたしと彼女(?)の間に連帯感が芽生えた。エイコー五霞餅ぷらざをもっと知りたい。私は教室を抜け出して灯台へ行こうと思った。教室を出て廊下を歩く。昇降口で靴を履き替えて外に出た。空はどんよりとした曇天で今にも雨が降り出しそうな雰囲気だ。それでも傘を持って行かなかった。雨でびしょぬれになればいいのだ、そんな気持ちで外へ出た。校門を抜けてしばらく歩いていると急に雨が降ってきて全身がずぶ濡れになった。私はそのまま海を目指して歩き続けた。
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