この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
奸計〜罠に堕ちた女達〜
第32章 肝試し
「うわっ!?臭せっ!何の臭いだよ、これ?」

壊れた入口から遠慮なく中に入った加藤が開口1番で叫ぶ。中には澱んだ空気が滞留し、異様な臭いが充満している。6人が歩く度にパキパキと何かが砕ける音がする。

「ここは受付とロビーか…?かなり荒れてるな…。」

荒川がポツリと呟く。荒川の呟きの通り、かつてはホテルのロビーだったと思われる空間は荒れ放題だった。大型のソファはひっくり返り、テーブルと思わしき残骸があちらこちらに散らばる。

「うわぁ〜。本当に映画みたい…。でも…これ不法侵入とかにならない?大丈夫かな?」

望が辺りを見渡しながら心配そうに言う。加藤がその心配を鼻で笑って返す。

「ここはオーナーが行方不明で管理者も不明だから訴えられる心配なんかないさ…。それよりどうする?どっち行く?階段もあるが。」

加藤は次の行動をどうするか皆を見渡しながら聞く。

「そうだな…。せっかくの肝試しだ…。バラバラに行って、最上階で合流するってのはどうだ?」

笹山がそう提案する。自分の肉体に自信を持つ笹山は強気だ。

「え〜!?さすがに怖いよ…。皆で一緒に行こうよ…。」

千恵美は未だ自分が見た影の恐怖に怯え、全員での行動を希望する。

「誰もいやしね〜よ。俺と芙美は右側から行くから、加藤達は左。荒川達は階段行けよ。さあ、芙美。行こうぜ!」

「は〜い!じゃあ、また後で〜♡」

芙美は笹山に肩を抱かれ、皆にヒラヒラ手を振り、2人で従業員区画と思われる方向へ去って行く。

「もう…。勝手なんだから…。」

千恵美はぷりぷりしながら、ため息をつく。

「あいつら、人気がないところでヤルつもりだから…。それで別々に行動したがったんだろ…。」

荒川が全てお見通しとばかりに言う。確かにその通りだが、全員がわかっていることなので、自慢気に話しても意味はない。さらにその言葉が逆に自分達を追い詰めることになる。

「なるほど…。そしたら、千恵美。俺らも早く行こうぜ!」

「えっ!?あん!ちょっ…と、浩次ぃ…。引っ張らないで…。もう…仕方がないなぁ〜。」

加藤は荒川の言葉に便乗し、自分達もと千恵美の手を引き、去って行く。

「あ…荒川くん…。ど…どうする…?私…怖いよ…。」

「だ、大丈夫さ…。お、俺らだって、2階に上がって、手近な部屋に入ろう…。俺がいるから心配しないで…。」
/816ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ