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第32章 肝試し

「ンギモッヂイイぃっっ…！！深すぎィルゅぅ…！んはあぁっん！あ…ァァっ…ああっ！！お…お願いぃっ…殺さないでぇっ…！はうぅっ…ん！んひぃ…ん？あぐぅっっ…！ふぇっ！？い…嫌あぁっ…！！そ…そんなことぉ…！！言えないぃっ…！」

千恵美は狩野に抱きかかえられ、揺さぶられながら、何か囁かれる。チラリと加藤を見て、嫌嫌と首を振る。すると狩野の動きが止まる。千恵美を抱えたままジッと動かない。

「あ…あぁっ…。そんなぁ…！う…動いてぇ…！今…止められたらぁ…！切なくてぇ…！んひぃ…ん♡い…言うぅ…言うからぁ…！！」

千恵美にさらに何か囁く狩野。千恵美の心はあっさりと折れ、加藤に向かって叫ぶ。

「こ…浩次くぅ…ん！ごめんっ！し…死んでぇっ…！！もう…私はああぁっ…この人のものぉおおっ！い…逝ぎだいのぉっ…！わ、私のためにぃっ…消えてぇ…！はああぁっ…んんっ…！！」

千恵美が絶叫し、身体を震わせる。

加藤は絶望に打ちひしがれ、無言のまま、自分に振り下ろされる斧を見ていた。最後に見た千恵美の姿は今までで１番美しかった…。

千恵美に駅弁ファックのまま中出しした狩野は千恵美と望を並べて寝かせる。

狩野は最後の獲物へと振り返る。そこには狩野でさえ予想外の光景が広がっていた。

芙美は荒川が殺される直前で目が覚めていた。続けて千恵美が犯され始めた時、芙美は自分の運命を悟る。恋人を捨て、絶頂を迎えた時に、先ほど捨てた恋人を殺される。それが理解出来た。出来てしまった。

狩野が与える罰。自分が恋人を裏切ることで、恋人が殺される。その罪を背負わされるのだ。芙美には耐えられなかった。

芙美の視界に無造作に置かれたナイフがあった。笹山が持っていたナイフ。そっとそれに手を伸ばす。

笹山は痛みの中で目覚めた。

「ふ…芙美…？」

うっすら開いた視界に芙美がいた。その瞬間、ドスッと笹山の身体を衝撃が貫く。ゆっくりと笹山が視線を下ろすと、自分の胸にナイフが突き立っていた。

「ふ…芙美…。な…何を…？」

「ごめんね…。さようなら…。」

芙美は突き立ったナイフをさらに押し込んだ。

ビクッビクッと笹山の体が激しく痙攣し、すぐに力が抜けていく。芙美は自ら恋人を殺したのだ。

恋人を裏切ることへの罪悪感か…。さらなる快楽を求めてのことか…。芙美自身にもわからなかった。