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奸計〜罠に堕ちた女達〜
第37章 万引き2〜書店の罠〜

街の中にある小さな本屋。今どき珍しい個人商店の本屋だ。小さな店舗には近くの複数の大学、高校の学生向けに参考書やファッション雑誌が置いてある。学生が学校帰りに寄るのに便利な店であった。
今も店内には高校の制服を来た女子学生が携帯と本を見比べながら何かを考えている。
『今日はハズレだなぁ…。』
残念そうに内心でため息をつくのは、カウンターの中で座って、やる気がなさそうに客に見えないように携帯を弄る店長の狩野だ。
知り合いから引き継いだこの店だが、狩野は真剣に本屋をやりたくて引き継いだ訳ではなかった。もともと家は大金持ちと言っていいほどの家庭で、狩野自身が株を持ち、手持ちのお金も十分にある人間だ。簡単に言えば文字通り遊んで暮らせるレベルである。
それなのに日中をこうやって本屋の仕事をしているのには別の理由があった。最初は知り合いに金が必要だから店を買わないかと持ちかけられ、ちょうど良い暇つぶしになるかと始めた本屋。
だが、ある日をきっかけに狩野はこの仕事が楽しみになっていた。
狩野はチラリと店の中にいる女子学生を見る。どこにでもいるような普通の高校生だ。どうやらファッション雑誌の内容を携帯で確認し、買うかどうか悩んでいるようだ。やがて本を手に取り、狩野のほうへと向かってくる。
やはり、狩野が期待していたようなことは起きなかった。女子学生はそのままお金を払い、店を出て行く。
『そうそう上手いこといかないか…。仕方ないな…。今日もアイツを呼び出すか…。』
狩野はそう思い、携帯に改めて手を伸ばす。画面のメッセージを送り合うアプリが表示され、相手の名前に「優愛」と表示されている。
狩野が店を続けるきっかけになった少女の名前だ。
黄昏時。高校の下校時間をとっくに過ぎた時間になり、狩野は店の札をCLOSEに変え、シャッターを下ろす。しかし、従業員用の扉は鍵をせずに、狩野はそのまま店の中で携帯を弄る。
すると、従業員用の扉が開き、素早く中へと入って来た人影があった。
「今日…友だちと遊ぶ約束してたのに…。」
中に入って来てすぐに不満そうな声を上げたのは、制服姿の金髪ギャル。「優愛」だった。
長めの金髪を揺らし、目鼻立ちのはっきりした顔は化粧をしなくても十分に可愛いレベル。少し日焼けしたかのように肌は小麦色をしている。
今も店内には高校の制服を来た女子学生が携帯と本を見比べながら何かを考えている。
『今日はハズレだなぁ…。』
残念そうに内心でため息をつくのは、カウンターの中で座って、やる気がなさそうに客に見えないように携帯を弄る店長の狩野だ。
知り合いから引き継いだこの店だが、狩野は真剣に本屋をやりたくて引き継いだ訳ではなかった。もともと家は大金持ちと言っていいほどの家庭で、狩野自身が株を持ち、手持ちのお金も十分にある人間だ。簡単に言えば文字通り遊んで暮らせるレベルである。
それなのに日中をこうやって本屋の仕事をしているのには別の理由があった。最初は知り合いに金が必要だから店を買わないかと持ちかけられ、ちょうど良い暇つぶしになるかと始めた本屋。
だが、ある日をきっかけに狩野はこの仕事が楽しみになっていた。
狩野はチラリと店の中にいる女子学生を見る。どこにでもいるような普通の高校生だ。どうやらファッション雑誌の内容を携帯で確認し、買うかどうか悩んでいるようだ。やがて本を手に取り、狩野のほうへと向かってくる。
やはり、狩野が期待していたようなことは起きなかった。女子学生はそのままお金を払い、店を出て行く。
『そうそう上手いこといかないか…。仕方ないな…。今日もアイツを呼び出すか…。』
狩野はそう思い、携帯に改めて手を伸ばす。画面のメッセージを送り合うアプリが表示され、相手の名前に「優愛」と表示されている。
狩野が店を続けるきっかけになった少女の名前だ。
黄昏時。高校の下校時間をとっくに過ぎた時間になり、狩野は店の札をCLOSEに変え、シャッターを下ろす。しかし、従業員用の扉は鍵をせずに、狩野はそのまま店の中で携帯を弄る。
すると、従業員用の扉が開き、素早く中へと入って来た人影があった。
「今日…友だちと遊ぶ約束してたのに…。」
中に入って来てすぐに不満そうな声を上げたのは、制服姿の金髪ギャル。「優愛」だった。
長めの金髪を揺らし、目鼻立ちのはっきりした顔は化粧をしなくても十分に可愛いレベル。少し日焼けしたかのように肌は小麦色をしている。

