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奸計〜罠に堕ちた女達〜
第37章 万引き2〜書店の罠〜
『いけるっ…。いける…。大丈夫…。ゆっくり…静かにすれば…。』

優愛は内心でかなり興奮していた。元来、悪いことなんてあまり出来ない真面目な性格。ギャルをやってるのも必死なくらいの小心者。それでも欲しい雑誌が目の前にあり、防犯カメラも意味を成していない店で、他に客もいない。何より店員も見ていない。

優愛に訪れた千載一遇の「今」というチャンスが、小心者を大胆に突き動かした。それが綿密に仕掛けられた罠だったと知らずに…。

優愛はゆっくりと雑誌を持ち直す。チラリとカウンターの方を見ると、ちょうど店員が何か落としたかのように下を向いている。

それを見て、優愛の手が勝手に動く。素早くバッグに雑誌を落とし込み、新たに平積みされた同じ雑誌を手に取る。店員が顔を上げた時には優愛はさもずっと同じ雑誌を手にしてたかのように振る舞うことができた。

店員は優愛の方に特に注意を向けることなく、何か作業してしている。

深く深く優愛は呼吸をして息を整える。不審に思われない動きでバッグのチャックを閉める。
そして何度も早く店を出たいという意識を押し殺し、怪しまれないために、敢えてゆっくり店内で品定めするように歩き、ようやく店を出るためにドアへ向かう。

店員がチラリと優愛を見るが、特に動きはない。優愛は平然とした表情を必死に保ちながら、ドアに手をかけ、押し開く。

その時だった。

「お客さん!会計してない商品がありますよね!?」

鋭い口調で後ろから声がかかる。

このまま聞こえない振りをして、あと一歩足を踏み出し、ドアを閉めれば…。ぐっと目をつむるが、優愛の足は前に出なかった。がっくりと肩を落とす。声をかけられて尚、逃亡する勇気も度胸も優愛にはなかった。

『証拠はないはず…。しらを切り通せれば…。』

ここにきてもまだ優愛には甘い考えがあった。店員がカウンターから出て来て、優愛の前に立つ。

「まだ会計してない商品がバッグにあると思います。お話しよろしいでしょうか?」

「な…なにも入って…いません。か…勘違いじゃないですか…?」

俯き加減のまま、優愛は震える声で言う。明らかに挙動不審だが、バッグの中さえ見られなければと、ぐっとバッグを抱え込む。

「勘違いなんかじゃありませんよ?ちゃんとカメラに写ってるので。」

「はっ…?カメラ…?」

優愛は店員の言葉に顔をポカンとさせる。
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