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奸計〜罠に堕ちた女達〜
第10章 廃屋
「はっ、はっ、はっ!」

立花郁美は毎日のように日課にしているジョギングに精を出していた。スポーツブラの上にパーカーを着て、カラフルなレギンスと短パンを組み合わせたものを履いている。現在、26歳。仕事が終わって帰宅した後に体型維持と健康維持のため、夜に走るのが習慣になっている。他にもジムに通ったり、ヨガをしたりしているおかげか、郁美のプロポーションは抜群である。
程よく膨らんだ胸は張りがあり、まったく垂れずにいるし、お尻はキュッと上がり、これまた張りがある。手足も長く、走っていると男性が振り返るほどであった。
その視線を浴びながら郁美は走る。夜と言ってもコースのほとんどが人通りが多く、あまり危険も感じない。

「はぁっ。はぁっ。ふぅっ~。」

郁美は公園近くで一息つく。ゆっくり歩きながら公園の入口に差し掛かる。このまま公園を突っ切るとすぐ自宅だ。郁美は身体を解しながら公園の中を歩く。その後ろから静かに近づいてくる人影があるが、郁美は気づかない。

『明日は休みだし、シャワー浴びたらお酒飲もうかな…。』

そんなことを考えながら歩いて出口に差し掛かった時、後ろから足音が急に近づいてくる。慌てて郁美は振り向くが、その瞬間、布のようなものを口に押し付けられる。

「なっ!?だっ…んむぅっ!?ん……。」

見知らぬ影に羽交い締めにされ、抵抗する間もなく、郁美の身体から力が抜ける。ぐったりとなった郁美の身体をその人影は出口へと運び、停めてあった車に乗せる。そしてすぐに車は走り出す。ほんの数分の出来事だった。




「へへっ…。やったぞ!ついにやったぞ…!」

運転席で男は呟く。バックミラーで後ろを確認すると後部座席には郁美が寝ている。

運転席の男、狩野孝宏は興奮する自分の気持ちを抑えながら運転する。半年前、たまたま走っている郁美を見かけ、その美貌とプロポーションに『犯したい』という気持ちが芽生える。そこから密かに郁美の行動を観察するようになる。機会を伺い、半年が経つこの日、狩野は行動に出たのだ。

狩野は10分ほど運転し、町外れの廃屋へと車をつける。普段使われていない、倉庫のような小さな建物。周辺には他に建物はない。狩野はそこに郁美を運び入れ、シャッターを下ろす。
狩野がスイッチを入れると、四方八方からライトの明かりが寝そべる郁美を照らす。真新しいマットが置かれている。
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