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第39章 内見

「さっきまでのこと…全部ビデオカメラで撮ってたから…。データを携帯にも移してね…。だから…これ…簡単にネットに上げられるんだよね…？」

「ふっ…ふざけないでっ…！そ…そんなことしたら…、わ…私…。」

言い叫ぶ美月に、ニタニタ笑いながら近づく狩野。ゆっくりと美月の横に腰を下ろし、遠慮なく美月の肩を抱いてくる。

「だからさ…。警察に行くなんて言わずに…。俺の部屋に行って…ゆっくりお話しようか…？」

「なっ…何を…バカなことを…！私は…話なんてっ…！」

そうは言いながらも、肩に置かれた狩野の手を美月は振りほどくことが出来ない。身体の震えが止まらなくなる。

『け…警察に…行かなきゃ…。でも…あんな動画…公開されたら…。私…生きて…いけない…。どうすれば…。』

迷う美月に狩野が囁く。

「警察行くって言うなら…ネットに上げちゃうけど…？美月ちゃん…可愛いし…スタイルもいいから…。世の男性達…みんな見るだろうな…この動画…。人気者になれるよ…？」

「や…やめて…。お願いします…。それだけは…。絶対に…。」

「じゃあさ…。いつまでもここにいられないし…。俺の部屋が近いし…。そこでゆっくり話そうよ…？」

告げられた言葉に美月は固まる。狩野は敢えて黙って美月の返事を待つ。やがて、美月の肩ががっくりと落ち、身体の力が抜け落ちた。

数分後、マンションの住人が部屋に帰る時、エレベーターを待っていると、降りて来たエレベーターから二人組が出てくる。

「こんにちは。」

「こんにちは。」

「…こんにちは。」

互いに挨拶するが、二人組の男性の方は普通だったが、女性の方は若干暗かった。女性はスーツ姿、男性は普段着で、『内見かな…？契約出来なかったかな…？』と住人は推測するが、部屋に戻ると、すぐにそのことを忘れてしまう。

さらに数時間後…。

「はあぁぁっ…♡むりぃ…♡や…休ませてぇ…！？イキっぱなしでぇっ…♡頭ぁあっ…ぐちゃぐちゃになるゅぅっ…♡くふぅっ…ん♡んちゅ…♡」

狩野の住むマンションで全裸になって、狩野に対面座位で抱かれる美月の姿があった。

物件から出る時にすれ違った住人に助けを求める考えが浮かんだが、実行には移せなかった。

結局、狩野のマンションに連れて行かれた美月は動画をネタに脅迫され、再び狩野に犯される。

そして、奴隷へと堕ちていく。

(完)