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第1章 なんで出逢ってしまったんだろう

寒さで震えてしまって目が覚めると、
誰かに引き寄せられてしまった。


「えっ？
あの…」

私は驚いて掛けていた毛布を自分の胸の上まで引っ張り上げた。


隣には江川さんが居て、
「寒いんだけど」とほぼ裸で笑っていた。


「あの…。
私…。
眠ってしまって…」と言うと、

「あれ？
みーちゃん、覚えてないの？
あんなに気持ち良いって言ってくれてたのに」

私は驚きのあまり、
声が出ない。


私をそっと抱き寄せて、
髪と額にキスをされて、
驚いてそっと押し返しながら、
私は泣いてしまっているようだった。


「えっ？
みーちゃん？
ごめん。
冗談だよ。
寝ちゃってたから、
襲ったりはしてないよ？
おっぱいにはキスしたけどね？」と言われて胸元を見ると、
紅い花弁のような痕がついていた。


「着替えてきます」と震えながら言って、
ベッドの下に落ちていたワンピースなんかを拾おうとすると、
「僕が外に出るから、
ここで服装、整えると良いよ」と言って、
その部屋から出ていった。


私は混乱しながらゆっくり、そっと自分の股間に触れてみた。

特に痛かったりしないし、
違和感もないから、
大丈夫かなと思って、ショーツとタイツを履いた。

紅い痕を気にしながらブラをきちんとつけて、
スリップの肩紐を直して、ワンピースを着た。


胸元の紅い痕が見えてしまいそうで、
気になってしまう。


リビングに行くと、
ずっと眠っていた亮平さんという人が、
ぼんやりした顔でソファに座っていた。


「あの…お邪魔してしまって…」と言うと、
「誰？」と言われてしまう。


キッチンからペットボトルを手にした江川さんがリビングに来て、
「亮平が泥酔してて、運ぶのを手伝ってくれたんだよ？
みーちゃん。
女子大生だって。
可愛いだろ？
一目惚れして、ちょっとベッドも借りた」と言うので、
私は赤面して俯いてしまう。


時計を見ると、もう7時半だった。


「あの…紘子さんを…。
ヒロちゃんを連れて帰りたいんですけど…」と言うと、
江川さんは「ああ」と言って襖を開けてくれる。


全裸で絡まるように寝ている2人に、
江川さんが声を掛けると、
紘子さんが先に目を覚まして欠伸をした。


「お帰りの時間だってさ」と江川さんが言うと、
悪びれた様子もなく、
紘子さんは服を着始めた。