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桜が咲く頃逢えたら
第9章 新しいカタチ
「生理痛、いつも酷そうだね?」

「なくなれば良いのにと思うくらい。
ピル、飲むと少し楽なのかな?」

「えっ?」

「婦人科系の病気なのかもしれない」

「病院、行った方が良いんじゃないの?」

「嫌よ。
婦人科なんて、怖いもの」

「僕、ついていくよ?」

「やだ。
もっと恥ずかしいじゃない」と言ってると、
ママがトレイに薬と水を持って入って来た。


「瑞樹ちゃん、いつもこんなに具合悪くなるなら、
病院行った方が良いんじゃないですか?
僕、男の兄弟しか居ないからわかんないけど」と、
ママに真剣な顔で言うので、
恥ずかしくなってしまう。


「んー。
私もそうだったけど、
出産したら良くなったのよね?
瑞樹さんも、結婚して子供を産んだら、
生理痛、楽になるかも」と言うので、
私と安西くんは顔を見合わせて、
なんだか紅くなってしまった。


「おばさん、僕達は…」と何か言おうとするのをママは遮って、

「悠介くんなら、ママ、良いと思うけど、
でも、あんまり急ぎ過ぎないでね?
まだ学生だし、
パパとか、卒倒しちゃうから!」とウィンクしながら出ていってしまった。


ポカンとした後、
「薬、飲まなきゃ」と言うと、
安西くんは私を起こしてくれて、
薬と水を持ってくれる。

まるで、「待て」をされてる大型犬みたいだった。


薬と水を受け取って飲むと、
「ちょっと横になるね?
安西くん、ありがとう」と言うと、
「瑞樹ちゃん、寝るまで、
ここに居ても良いかな?」と言って、髪をそっと撫でてくれる。


「不細工な顔してるからヤダ」と言うと、
「全然、不細工じゃないよ。
なんかね、子供みたいな顔してる」と言って笑う。


その足元から間に入り込むように、
タロウが背伸びをして私の方を見る。


「タロウも心配してくれてるのね?
ありがとう」と撫でると、
嬉しそうに尻尾を振る。


「僕が不埒なことをしないように、
見張ってるのかな?」と生真面目な顔で言うので、
笑ってしまうけど、
痛さで顔が歪んでしまう。


「薬、早く効くと良いね?」
と言いながら、
小さい声で古いビートルズの曲を口ずさんでくれる。


それを聴きながら、
私は静かに眠りについた。
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