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桜が咲く頃逢えたら
第10章 急転直下
「瑞樹ちゃん…。
だったら、僕との間の子供だっておじさん達に言わない?
何日になるか判らないけど、
流石に入院となると、隠しきれないよ?
しかもさ、相手と連絡つかないとか言ったら、
それこそ、堕胎しなさいって言われるんじゃない?」

「亮平さんはそんなヒトじゃない。
何か、理由があるはず…」

「でも、今、ここに居ないよ?
連絡も取れない。
入院手続きも、
手を握ってあげることも出来ないんだよ?」と、
安西くんは少し悲しそうな顔で続けた。


「取り敢えず、一度、タロウをピックアップして、
僕の家に預けてくるよ?
瑞樹ちゃんは、独りで怖いから、
僕の家にタロウ連れて泊まりに行くとでもおばさんに言っておいたら?
それ終わったらここに戻るからね?
それまでにあいつから連絡来なかったら、
どうするか、考えようね?」と言って、
安西くんは一度病院から出て行った。


私はスマホを握り締めながら、泣いて過ごした。



夜になって、お花と紙袋を持った安西くんが戻って来てくれた。


「入院中はそのピンクの変なパジャマなんだよね?
下着とか、良く判らないから、
デパートで買ってきてみたよ?
病院の食事って、少なくて、美味しくないって聞いたから、
デリで適当なのも」と言って、
紙袋をサイドテーブルに置いて、
動かせるテーブルをベッドに設置して、
あれこれ並べてくれるけど、
私は食欲もなくて、食べれそうになかった。


「安西くん、食べて?
私…食べれそうにないの」と言うと、
「じゃあ、これなら食べれないかな?」とプリンを出してくれる。


私は泣き笑いしながら、
「ありがとう」と言うと、
「とにかく、元気にならないとね?」と笑って、
買ってきたデリのお惣菜を食べてくれた。

そして、
「個室だから、ここで泊まっても良いみたいだから、
今日は隣のベッドに寝るね?」と笑う。


夜、なかなか眠れなくてぼんやり天井を見てると、
「眠れないの?」と小さい声で訊かれる。

「連絡は?」と言われて、
「来ないの。
既読にもならなくて…」と言葉にしてしまうと、
怖くてポロリと涙が出てしまう。


何かあったに違いない。

嫌な予感で、胸が苦しくなってしまう私を、
安西くんがそっと髪を撫でたり背中を叩いていてくれたから、
ようやく少しだけ浅い眠りが取れた。
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