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桜が咲く頃逢えたら
第10章 急転直下
翌日になっても亮平さんからは電話もなくて、
LINEも既読にはならないままだったけど、
昼前に江川さんから電話があった。
「みーちゃん、珍しいね?
どうしたのかな?」と、
のんびりとした優しい口調で言われて、
私は涙が止まらなくなってしまって話をすることが出来なかった。
それを見て、安西くんが電話を代わってくれる。
「あの…、僕は安西と言います。
瑞樹ちゃんの幼馴染です。
亮平っていう人と大至急連絡が取りたいんですけど?」
江川さんの声は聴こえないけど、
安西くんの顔が曇っていくように見えた。
「そうですか。
では、そちらに伺います。
僕の携帯からすぐに電話させてください。
それにショートメールで住所を送って貰えますか?」
一度電話を切ると、
安西くんは自分の携帯を出して、
私の携帯の着信履歴から、
江川さんに電話をした。
そして、念の為にと、
亮平さんの電話も登録して、
「ちょっと江川さんていうヒトに、
話を聴いてくるね?
流石にここに来て貰うわけにもいかないでしょ?
独りにして大丈夫かな?
近そうだから、そんなに遅くならないよ。
食べれそうな物あったら、
LINEしてね?」と言って、
そっと私の額にキスをすると病室から出て行ってしまった。
漠然とした不安が、
更に大きくなるように感じてしまった。
お医者様から言われた予定日は、
3月20日だった。
その日は、
偶然にもりんくんの命日でもあった。
桜には少し早いのかもしれないけど、
桜が咲く頃には、
赤ちゃんを腕に抱いて、
亮平さんと一緒に過ごせる。
目を閉じて、
そのイメージだけを考えてみようと思うのに、
どうしても涙を抑えることが出来ずに居た。
LINEも既読にはならないままだったけど、
昼前に江川さんから電話があった。
「みーちゃん、珍しいね?
どうしたのかな?」と、
のんびりとした優しい口調で言われて、
私は涙が止まらなくなってしまって話をすることが出来なかった。
それを見て、安西くんが電話を代わってくれる。
「あの…、僕は安西と言います。
瑞樹ちゃんの幼馴染です。
亮平っていう人と大至急連絡が取りたいんですけど?」
江川さんの声は聴こえないけど、
安西くんの顔が曇っていくように見えた。
「そうですか。
では、そちらに伺います。
僕の携帯からすぐに電話させてください。
それにショートメールで住所を送って貰えますか?」
一度電話を切ると、
安西くんは自分の携帯を出して、
私の携帯の着信履歴から、
江川さんに電話をした。
そして、念の為にと、
亮平さんの電話も登録して、
「ちょっと江川さんていうヒトに、
話を聴いてくるね?
流石にここに来て貰うわけにもいかないでしょ?
独りにして大丈夫かな?
近そうだから、そんなに遅くならないよ。
食べれそうな物あったら、
LINEしてね?」と言って、
そっと私の額にキスをすると病室から出て行ってしまった。
漠然とした不安が、
更に大きくなるように感じてしまった。
お医者様から言われた予定日は、
3月20日だった。
その日は、
偶然にもりんくんの命日でもあった。
桜には少し早いのかもしれないけど、
桜が咲く頃には、
赤ちゃんを腕に抱いて、
亮平さんと一緒に過ごせる。
目を閉じて、
そのイメージだけを考えてみようと思うのに、
どうしても涙を抑えることが出来ずに居た。