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桜が咲く頃逢えたら
第10章 急転直下
「でも、それだと、
安西くんが悪者になっちゃう。
そんなこと…」


「悪者でも、何でも良いよ。
僕は瑞樹ちゃんのこと、心から大切に思っていて、
守りたいし、
瑞樹ちゃんが子供産みたいなら、
そう出来るように協力するから」


どうしたら良いか判らないまま、
泣きながら眠ってしまっていた。


翌日には退院の許可が出て、
安西くんの車で病院を後にした。

途中、安西くんの家に立ち寄って、
タロウをピックアップしようとすると、
安西くんのお母様が、
「瑞樹ちゃん、大丈夫?
体調、悪かったって聴いたわ?
まだお母様達、軽井沢なんでしょう?
戻るまで、ここに泊まって行ったら?
顔色悪いし、心配だもの」と言ってくださった。


安西くんも、
「そうすれば?
どうせ、オヤジと兄貴は旅行を兼ねた海外出張で居ないし」と言う。


私は考えもまとまらないし、
体調も悪いので判断出来ないまま、
ママ達が帰って来るまで、
安西くんのお家に泊めて頂くことになった。


お手伝いさんが居ることもあって、
安西くんのお母様はお料理などの家事はあまりされないようだったけど、
その代わりに、刺繍をしたり、絵を描くのが好きだと笑っていた。


高校時代に、夏休みに少しだけ通ったパリの刺繍学校のことを話すと、
「あら!懐かしい!
私もそこ、通ってたわ?
あのおじいちゃん先生、まだ居たかしら?
クロッシェ、指に刺したら、
救急車呼ぶしかないって、
最初の日に言われてビックリしたのよね?」

「頭に眼鏡乗せて、
眼鏡がないないって言ってた先生ですよね?」
と言うと、
クスクス笑って、
素敵な刺繍の図案を見せてくださった。


「私、法律の勉強より、
こうやって刺繍をしたり、
お菓子焼いたりする方が好きかも…」と言うと、

「あら。
東大でしょ?
それじゃあ、勿体ないわ?」と笑われてしまう。


「まあ、悠ちゃんが、
さっさと司法試験に受かって、
『僕が食べさせるから、結婚して』くらい言えたら、
そうして貰えるかしらね?」と言った。

「合格したくらいじゃ、
まだまだ、瑞樹ちゃんのお父さん、
許してくれないんじゃないかな?
お姫様だからって言ってたよ?」と、
安西くんは笑った。
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