この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
桜が咲く頃逢えたら
第11章 暗闇の中へ
マンションに戻って2日後のことだった。

夜中に下腹部が痛くて思わず声が出てしまった。
丸まるようになりながら痛さに耐えていると、
安西くんが気づいて目を覚ましてくれた。


「瑞樹ちゃん、どうしたの?
どこか、痛いの?」

「お腹…痛い」と言いながら、
涙が滲んでくる。

この痛み、確かに知ってる。
そう思ったら、
余計に涙が溢れてしまう。


「えっ?
大丈夫?
海老とかにあたったのかな?」と、
背中を撫でてくれる。


「お手洗いに行きたい…」と言うと、
抱き上げて連れて行って、
座らせてくれて、
「心配だから、ドアの外に居るね?」と、
そっとお手洗いのドアを閉めてくれる。


痛みを堪えながら、
パジャマのズボンとショーツをなんとか降ろしてみて、
思わず小さな声で呟いていた。


「いや。
血が出てる。
どうしよう?
月(るな)ちゃんが流れちゃう」


安西くんが、ノックをする。

「瑞樹ちゃん、どうした?
大丈夫?
中で倒れてたりしてない?
開けても良い?」


ドアをそっと開けて私の顔を心配そうに見る安西くんに、
泣きながら私はもう一度言った。


「どうしよう?
救急車呼ばなきゃ。
月(るな)ちゃんが流れちゃう。
出血してるの…」


安西くんは、一瞬固まって、
多分膝の下まで降ろしていたショーツを見て、
唇を噛み締めた。


そして、
「えっと…、シャワーで軽く流してから、
ナプキンしたら良いのかな?」と紅い顔で言う。


「違うの。
これ、流産しそうになってるんでしょ?
病院に行かなきゃ」


そう言いながらも、
違和感を覚えていた。


「流産?
だってもう1月よね?
予定日は3月だから…早産なの?
早く病院に行かなきゃ」


でも、おかしい。
私のお腹、
ぺったんこになってる?
どうして?
ご飯、食べれなくて痩せちゃったの?


「とにかく、シャワーだけして、
清潔にしてみようか?
えっと、下だけ脱いでみて?
バスルームの椅子に移動しよう。
上は新しいのに着替えれば良いからさ。
濡れちゃっても良いから下だけシャワーで流してみて?」と、
私をまた抱えるようにバスルームに連れて行って、
中の椅子に座らせてくれる。

ゆっくりとお湯を出して私にシャワーヘッドを渡すと、
「着替え、用意するから、
とにかくサッと流してみて?」と安西くんは言った。
/155ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ