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桜が咲く頃逢えたら
第11章 暗闇の中へ
「安西くんのお母様も…。
私のことを安西くんが妊娠させたって思ってて、
すごく気遣ってくれてるの。
本当は違うのに…」

「別に良いよ。
幼稚園時代から片想いとか、
カッコ悪いじゃん」と笑う安西くんは、
本当に優しい顔をしていた。


「済まなかったね?
酷いことを言ったよ」とパパが頭を下げて肩を震わせている。

ママもハンカチを目に当てて泣いていた。


「だから私…。
最初から始めたいの。
安西くん…じゃなくて、
悠介さんと一緒になりたいの。
悠介さんが良かったらだけど。
パパ、ママ、
許してくれる?」

「いや、ちょっと待って?」と安西くんが言う。


「えっ?」

「司法試験受かって大学卒業しないと、
僕、全然良いとこないから。
早稲田と東大じゃ、
全然ダメだよ。
せめて司法試験に受からないとね?」と言うので、
ポカンとしてしまう。


「私じゃ、ダメなの?」

「違うよ?
今の僕じゃ、
とても瑞樹ちゃんをお嫁さんにくださいなんて言えないから」と言うと、
パパとママが笑い出してしまう。


「こちらからお願いしたいな。
瑞樹を貰ってくれるかな?」とパパが言うと、
安西くんは恥ずかしそうな顔をする。


「でも、卒業するまで、
子供は待って欲しいけどな」と言って、
私の頭をポンポンするパパの優しい笑顔に、
胸が詰まってしまう。


「嫌だわ、貴方ってば。
一緒に住んでるのに、
何も出来ないなんて、
そんなの、酷過ぎるわよ」とママが笑う。


私と安西くんは、見つめ合うと、
顔が紅くなってしまう。


「安西くんのご両親にも謝らないと。
特に病室でお母様に娘を傷物にしたと言ってしまったけど、
傷物にしたのはこっちの方だったな」


「いえ。
両親には何も言わないでください。
瑞樹ちゃんのこと、凄く大切に思ってるので、
過去のこととか、何も…」と言って、
私の手を握ってくれる。


「だったら、せめて、
これからは前みたいに、
お母様に遊びに来るように伝えて?
なんだかギクシャクしてしまって…」



「そうそう。
成人式はどうするの?」

「私、まだちゃんと歩けなくて…」

「じゃあ、写真館でみんなでお写真撮らない?
両家で、みんなで?
その後、お食事しましょう」とママが笑った。
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