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桜が咲く頃逢えたら
第11章 暗闇の中へ
祖母とママが選んでくれた振袖を着た私を、
折角だからと成人式の後にセッティングした同窓会メンバーとの内輪の集まりに安西くんが連れて行ってくれた。

流石に松葉杖では辛いので、
その日は車椅子に乗っていて、
事情を知らない友人達は、
「どうしたの?」と驚いていた。


「ちょっと階段から落ちちゃって…」と言うと、
「いつも落ち着いてる瑞樹ちゃんにしては珍しいのね?」と笑われてしまった。


そして、
「安西くんと婚約する予定なの」と言うと、
更に驚かれた後、
「私達は5月に結婚するよ」と紘子さんが高橋くんの手を握りながら言うので、
更に盛り上がってしまった。



その後、私の家族と安西くんのご家族で合流して、
ホテルの写真館で家族写真を撮って、
食事会をした。


パパが頭を下げて、
「悠介くんには本当に心無いことを言ってしまって、
申し訳なかった」と謝ったり、
「こちらこそ、本当に瑞樹さんには申し訳ないことを…」と安西くんのお母様が頭を下げたりするので、
私は居た堪れない気持ちになってしまって、
泣きそうになる。

もしかしたら、
安西くんのお父様も流産のこと、
ご存じなのかしらと感じてしまったりもすると、
余計に辛くなる。


そしたら、私の祖母が、
「まあ、折角の成人式なのに、
なんなのかしら?
それに今日は、
婚約のお祝いかと思ってたんだけど?」と言うので、
「えっ?」と驚いてしまった。


安西くんが立ち上がるので、
私もつられるように立ち上がった。


「これまで育ててくださり、
ありがとうございます。
まだまだ学生で、
独り立ち出来るような状況ではありませんが、
出来れば瑞樹さんと結婚したいと思っています。
まずは司法試験合格と卒業してからと思いますので、
引き続き宜しくお願いします」と安西くんは一気に言って頭を下げた。

普段、寡黙でシャイな安西くんなので、
少し驚いてしまう。


「私は…悠介さんの優しさにずっと甘えてばかりで、
何も出来ないままでここまで来ました。
そんな私で良いのか、
正直、不安しかありません」と言うと、涙が出てしまう。


「瑞樹ちゃんは、居てくれるだけで、
僕は幸せだけどね?」と言いながら、
そっとハンカチで涙を拭ってくれた。
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