この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
桜が咲く頃逢えたら
第12章 安西くんと結ばれる
私は瞳を閉じた。
あの日、亮平さんの病院に行って、
階段から滑り落ちて、
月(るな)ちゃんを永遠に失った時、
既に私は亮平さんはこの世を去っていたことに、
気づいていた筈だった。
それなのに、認めたくなくて、
苦しんで…。
それで居心地が悪くなってしまって、
月(るな)ちゃんは流れていったのに、
それも認めたくなくて、
心が暗い深淵に墜ちてしまった。
退院してもいつまでも歩けなくて、
何も出来なくて、
周りの人にも心配を掛けてしまっていた。
あの日、ちゃんと事実を自分の目で見ていたら、
亮平さんの最期を看取っていたら、
月(るな)ちゃんをきちんとこの世に産み落とせたかもしれなかったのに。
いや、多分、
その事実を知ったら知ったで、
弱い私はそのまま、気持ちを追い込んでしまって、
やっぱり月(るな)ちゃんは流れてしまってたんだろう。
私はその場に座り込んでしまっていた。
「瑞樹ちゃん、大丈夫?
立てる?」と私を立たせようとしてくれてる安西くんに、
「悠介さんは、全部知ってたのよね?」と口にしたら、
何かに押し流されるように意識が遠のいてしまった。
それは、ずっと安西くんにも話せなかったこと。
怖くて、目を背けて、
心の奥に封印していたものだった。
あの日、亮平さんの病院に行って、
階段から滑り落ちて、
月(るな)ちゃんを永遠に失った時、
既に私は亮平さんはこの世を去っていたことに、
気づいていた筈だった。
それなのに、認めたくなくて、
苦しんで…。
それで居心地が悪くなってしまって、
月(るな)ちゃんは流れていったのに、
それも認めたくなくて、
心が暗い深淵に墜ちてしまった。
退院してもいつまでも歩けなくて、
何も出来なくて、
周りの人にも心配を掛けてしまっていた。
あの日、ちゃんと事実を自分の目で見ていたら、
亮平さんの最期を看取っていたら、
月(るな)ちゃんをきちんとこの世に産み落とせたかもしれなかったのに。
いや、多分、
その事実を知ったら知ったで、
弱い私はそのまま、気持ちを追い込んでしまって、
やっぱり月(るな)ちゃんは流れてしまってたんだろう。
私はその場に座り込んでしまっていた。
「瑞樹ちゃん、大丈夫?
立てる?」と私を立たせようとしてくれてる安西くんに、
「悠介さんは、全部知ってたのよね?」と口にしたら、
何かに押し流されるように意識が遠のいてしまった。
それは、ずっと安西くんにも話せなかったこと。
怖くて、目を背けて、
心の奥に封印していたものだった。