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桜が咲く頃逢えたら
第13章 桜が咲く頃逢えたら
翌日、病院に行って、
妊娠していることが判った。


流産したことを考慮して、
通常よりこまめに検診に来るようにと言われた。

安西くんはメモをしながら、
注意事項を確認するので、
看護婦さん達に笑われてしまった。


もう少し経ってから両親達に知らせることにした。


桜並木をタロウを連れてお散歩したり、
お米の炊ける匂いやコーヒーの香りが苦手になった私の代わりに、
安西くんがお料理を手伝ってくれるようになった。


そして、5月の択一試験は2人とも合格して、
次の論文は、まだまだ勉強が足りない感じで終わった頃に、
両親達に妊娠の報告をした。


両家とも、物凄く喜んでくれていて、
そんな中で択一試験に合格したことを褒めて貰ったりした。


予定日が11月だったので、
指導していただいているゼミの教授や、
主要科目の教授にもご報告をして、
後期試験の相談などもさせていただいた。


そして、私の誕生日の1週間後に、
帝王切開で無事に男の子を出産した。


退院後は実家で過ごすことになって、
そこに安西くんのお母様や両方の祖母達も加わって、
とても賑やかな育児が始まった。


安西くんも実家から大学に通学しながら、
たくさん育児を手伝ってくれた。


実家の広い庭には、
か細い桜の樹を植えて貰った。

河津桜と染井吉野と八重桜。
どの樹もまだまだ細くて、
お花が付くかどうかも判らないほどだったけど、
最初の年は、本当に少しだけ蕾がついてくれた。


それを観ながら、
また、3月20日には、
お墓参りに行きたいと考えていた。






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