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桜が咲く頃逢えたら
第2章 魔法のキスで恋に落ちた
8時10分過ぎにママからの電話が鳴った。

パパのお仕事関係のパーティーの時に着るものの話を、
ママは楽しそうに一方的にして、
「パーティーの時に、ピアノ弾いて欲しいってパパ、言ってたわよ?」という話で電話は終わった。


「みーちゃんは、良いお家のお嬢さんなんだな?」

「えっ?」

「親と話す時も丁寧な言葉遣いしてるしさ」と言われる。


「ここだって、男子禁制なんだろ?
知られたら実家まで連れて帰られそうだな」と言って笑う。


「笑い事じゃありません。
本当に、その通りですから」と言って立ち上がろうとすると、
いきなり抱き締められてソファに座らされてキスをされた。

手足をバタバタとさせてもがこうとしたけど、
大きい身体にすっぽり覆われるようにされて、
両手を押さえられてしまって、
舌を絡めるようにされると、
力が抜けていってしまう。


「もっと舌、出して?」

震えながら舌を出すと、
音を立てながら吸われて、
角度を変えては舐め回される。


髪を撫でながら深いキスをする。
耳朶を指先でそっと触れて、
舌を滑り込ませては舐める。


背骨が溶けてしまうような感覚がする。


「晋太郎さんとどこまでヤッたの?
キスはしたよね?
おっぱいは?」と言いながら、
首筋にも舌を這わせて、
胸元に手を入れようとする。


「辞めてください。
お願い…」と震えながら言うと、
手を止めて、不思議そうな顔をする。


「コドモ、出来るようなこと、
したんでしょ?」


私は首を横に振る。


「晋太郎さん、最高に気持ち良かったって言ってたけど?」


私は涙ぐみながら首を横に振る。


「私…間違えてお酒を口にしてしまって、
眠ってしまったから覚えてないんです。
江川さんは、
寝ている私にはそういうこと、してないって言ってました。
胸には紅い痕、ついてたけど。
でも、その後、生理が来なくて、
怖くて…誰にも言えなくて、
紘子さんに言ったら、
江川さんに電話してくれて…」


「ふーん。
そうなんだ。
じゃあ、別に晋太郎さんと付き合ってる訳じゃないよね?」


「私…どなたともお付き合いしたこと、
ありません」


「ひょっとして、バージン?」


多分、私の顔も耳も真っ赤になってたと思う。


「うわ。
参ったな」と言いながら、
亮平さんは顎髭を掻いた。
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