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桜が咲く頃逢えたら
第5章 多忙だから放置だなんて大丈夫なの?
「で、安西悠介は、どんな感じだった?」

「えっ?」

「ハンサムだったよね?
なんか、ハーフみたいに可愛い顔、してたじゃん?
いつも、瑞樹さんのこと、わざと揶揄ったりしててさ」

「そうだっけ?」

「よく、『悠介くんが意地悪した』って、私の処に来て泣いてたもん」

「悠介くんって呼んでた?」

「うん」

「背は高かったよ。
チビって言われた」

「変わらないね。
で、好きって言われた?」

「えっ?」

「言われたんだ。
安西くんは、瑞樹ちゃん一筋だよね?」

「そんなことは…。
何年も会ってなかったし」

「私は偶然会ったこと、実はあったよ。
その時も瑞樹ちゃんのこと、
訊いてたな。
あんなオジサンより、安西くんの方が良いんじゃない?
仕事してると会えないし、
夜、身勝手に呼び出しするしさ。
あ、でも、セックスは上手いのね?」と言われて、
紅くなってしまう。


そんな話をしていると、
亮平さんから着信が入った。

私は紘子さんに目配せして、
慌てて自分の部屋に入った。


「瑞樹、家に戻ってる?
会いたい。
瑞樹のこと、抱きたい」

「えっ?」

「来てよ。
ダメ?
俺、淋しくて死にそう」

そんなこと、言われると、
私も会いたくて仕方がなくなる。


紘子さんに、
「ちょっと亮平さんのトコに行ってくるね」と言うと、
少し呆れた顔して、
「本当に行くんだ。
ちゃんと避妊するんだよ?」と言って、
コンドームの箱を握らされた。


「やだ。
紘子さんてば…」と言うと、
「慣れてきた頃が、危ないんだから。
ほら、気をつけて行ってきて?」と笑って送り出された。
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