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桜が咲く頃逢えたら
第6章 少しのジェラシー
マンションの前に着くと、車のエンジンを止めて助手席に回り込んでドアを開けてくれる。

薔薇の花を手に車を出ると、
「送ってくれてありがとう。
おやすみなさい」と頭を下げてぎこちなく笑い掛けた。

「うん。
おやすみ。
瑞樹ちゃん、またね?」と言うと、
髪をそっと撫でてから、車に乗って、
ハザードを2回焚いてから車を出した。


マンションに入ろうと踵を返したら、
「瑞樹?」と後ろから声を掛けられて振り向くと、
そこには亮平さんが立っていた。


「えっ?
亮平さん?
出張から戻って来たの?」と言うと、
私を抱き締めて、
「あいつが同級生?
ヒロちゃんと一緒じゃなかったの?」と言いながら、
噛み付くようにキスをされてしまう。


「んっ…。
亮平さん?
苦しい…」と言うと、
「ごめん。
部屋に入っても良い?」と言って、
更にキスをする。


外でキスをしているのが恥ずかし過ぎて、
私はそっと亮平さんの手を引いて、
部屋の中に入った。


タロウをゲージから出して、
新鮮なお水とご飯をあげる。

亮平さんにはコーヒーを淹れて、
自分用のはカフェオレにしてから、
実家に電話を入れた。


「ママ?
今日は夕食して送って貰って、
今、帰ったの。
うんうん。
久し振りにドルフィンに行ったの。
高橋くんは、市大の医学部なんですって。
はい。
おやすみなさい」


電話を終えても、亮平さんは仏頂面のままだった。


「どうしたの?」

「瑞樹が若いオトコと一緒に居て、
ヤキモチ焼いた」


私は笑い出してしまう。


「同級生よ?
同窓会の打ち合わせで…。
紘子さん、もう1人ともうちょっと一緒に居るからってなったから、
送って貰ったの。
12年ぶりくらいに会ったし、
それだけよ?」

「キスとか、されなかった?」

「えっ?」

「あいつ、瑞樹のこと、好きだよ。
そんな目つきだった」

「そんなこと…」

「いや、絶対、そう。
見れば判る。
俺、不安で死にそう。
瑞樹、抱きたい。
今すぐ、ここで」


そう言うと、私の服を脱がせながら、
自分の服を脱いでいくと、
私の部屋のベッドに引っ張って行く。


そして、キスをしながら私の胸を弄って、
キスマークをつけながら、
唾液でベチャベチャにして、
私を味わうかのように、
身体中に舌を這わせていった。
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