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桜が咲く頃逢えたら
第1章 なんで出逢ってしまったんだろう
「うん。
ノーメイクの方が、
みーちゃんらしくて、可愛いね」とバーテンダーさんに言われて、
少し紅くなってしまう。
ノンアルコールカクテルを飲んでいると、
隣にさっきの痩せ気味のオジサンがやって来て、
「隣、良いかな?」と言って座った。
「あれ?
社長、みーちゃんと知り合いでした?」とバーテンダーさんが言う。
「いや、今、会ったところ。
一杯、ご馳走したいんだけど?
何、飲んでるのかな?
同じモノを僕にも…」と言われて、
私とバーテンダーさんは目を合わせて、クスリと笑ってしまった。
「社長、多分これ、
甘くて飲めないですよ?」と言って、
「いつものにしましょうか?」と笑う。
「良いよ。同じので」と言うので、
バーテンダーさんは優雅な姿でシェイカーを振ると、
2人分のカクテルを出してくれた。
「江川です。
初めまして」とグラスを上げるオジサンに、
「秋山瑞樹です。
初めまして」と言うと、
「初対面のオトコに、
本名のフルネームは言わない方が良いよ」と笑われる。
「あら。
悪い人なんですか?
それとも、江川さんて、偽名?」と言うと、
仕立ての良いジャケットの内ポケットから、
カルティエの名刺入れを出して名刺を渡してくれる。
「江川…晋太郎さま。
本当に社長さんなんですね?
私は学生なので名刺は持ってなくて…」と言いながら、
いただいた名刺をママが入学式の時に買ってくれたエルメスの手帳にそっと挟んだ。
「ミズキって、どんな漢字?
ふーん。
瑞々しいに樹木の樹ね?
で、みーちゃんなんだ。
いくつ?
21歳?
もっと若く見えるね。
お友達の方は、24歳くらいに見えるかな」と笑う。
紘子さんがお酒を飲んでいるから、
毎回、21歳と言うようにしてるので、
その日もそう言うしかなかった。
軽く乾杯して、一口飲んだ江川さんは、
「うっ…」と言いながら固まってしまって、
私とバーテンダーさんを見た。
「甘い…でしょ?」
「これ、アルコール入ってる?」
「入ってないです。
私、お酒、飲めなくて…」と言うと、
バーテンダーさんがそっと水を江川さんに渡していた。
「やっぱりいつもの頂戴」と言う江川さんを見て、
更に笑ってしまった。
ノーメイクの方が、
みーちゃんらしくて、可愛いね」とバーテンダーさんに言われて、
少し紅くなってしまう。
ノンアルコールカクテルを飲んでいると、
隣にさっきの痩せ気味のオジサンがやって来て、
「隣、良いかな?」と言って座った。
「あれ?
社長、みーちゃんと知り合いでした?」とバーテンダーさんが言う。
「いや、今、会ったところ。
一杯、ご馳走したいんだけど?
何、飲んでるのかな?
同じモノを僕にも…」と言われて、
私とバーテンダーさんは目を合わせて、クスリと笑ってしまった。
「社長、多分これ、
甘くて飲めないですよ?」と言って、
「いつものにしましょうか?」と笑う。
「良いよ。同じので」と言うので、
バーテンダーさんは優雅な姿でシェイカーを振ると、
2人分のカクテルを出してくれた。
「江川です。
初めまして」とグラスを上げるオジサンに、
「秋山瑞樹です。
初めまして」と言うと、
「初対面のオトコに、
本名のフルネームは言わない方が良いよ」と笑われる。
「あら。
悪い人なんですか?
それとも、江川さんて、偽名?」と言うと、
仕立ての良いジャケットの内ポケットから、
カルティエの名刺入れを出して名刺を渡してくれる。
「江川…晋太郎さま。
本当に社長さんなんですね?
私は学生なので名刺は持ってなくて…」と言いながら、
いただいた名刺をママが入学式の時に買ってくれたエルメスの手帳にそっと挟んだ。
「ミズキって、どんな漢字?
ふーん。
瑞々しいに樹木の樹ね?
で、みーちゃんなんだ。
いくつ?
21歳?
もっと若く見えるね。
お友達の方は、24歳くらいに見えるかな」と笑う。
紘子さんがお酒を飲んでいるから、
毎回、21歳と言うようにしてるので、
その日もそう言うしかなかった。
軽く乾杯して、一口飲んだ江川さんは、
「うっ…」と言いながら固まってしまって、
私とバーテンダーさんを見た。
「甘い…でしょ?」
「これ、アルコール入ってる?」
「入ってないです。
私、お酒、飲めなくて…」と言うと、
バーテンダーさんがそっと水を江川さんに渡していた。
「やっぱりいつもの頂戴」と言う江川さんを見て、
更に笑ってしまった。