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桜が咲く頃逢えたら
第7章 桜咲く中、突然の別離
翌日の明け方、ふと目が覚めた私は、
りんくんの目が開いていることに気づいた。
横を見ると亮平さんはベッドにもたれ掛かるように眠っていた。
「パパね、いつも泣いてるよ」と、
囁くような声でりんくんが言った。
声が聴こえているのかも本当は判らないほどで、
実はそう聴こえているだけだったのかもしれない。
「僕、もう眠りたいんだ」
「えっ?」
「でも、パパが心配だったの」
私はりんくんの手を強く握り締めると、
りんくんも思い掛けず強く握り返してくれてるように感じた。
でも、本当はそう感じただけだったのかもしれない。
「お姉ちゃん、パパと一緒に居てね?
そしたら、僕、戻ってくるから」
私は涙が止まらなかった。
「本当のママはね、
僕のこと、嫌いだったの。
小さいし、汚い。
アクセサリーにもならない。
可愛くないんだって」
「そんなことない。
りんくん、小さくて可愛いのよ?
それに、優しくて強いわ?
私、りんくんのこと、
大好きよ?」
「お姉ちゃんがママなら良かった」
「これからでも、
ママになれるよ?
だから…」
「でもね、
もう眠りたいの…」
そう言うと、
りんくんは目を閉じてしまって、
手の力が抜ける感じがした。
すると、繋がれてる機械のアラート音が響いた。
私は慌ててナースコールを押した。
寝惚けながらも亮平さんもりんくんの身体を揺すった。
慌ただしく看護婦さんとお医者さんが入ってきて、
私たちは少し離れるようにされる。
私は震えながら泣いてしまっていて、
亮平さんは私を強く抱き締めてくれるけど、
亮平さん自身も泣きながら震えていた。
お医者さんが何かを言っているけど、
私にはその声も聴こえない。
何を言っているのか入って来なかった。
心臓マッサージをしても肋骨が折れて…
とか、
もう、外しましょうか…
と言った声が無機質な感じで流れていく。
亮平さんが、
「判りました。
お願いします…」と言っている。
やがて、機械の音の間隔が広がって、
平坦になる。
0
という数字が目に飛び込んでくる。
目を開いて光を当てたりして、
ゆっくりと時計を見て、
時間を読み上げられる。
とても呆気なく、
りんくんは旅立ってしまった。
りんくんの目が開いていることに気づいた。
横を見ると亮平さんはベッドにもたれ掛かるように眠っていた。
「パパね、いつも泣いてるよ」と、
囁くような声でりんくんが言った。
声が聴こえているのかも本当は判らないほどで、
実はそう聴こえているだけだったのかもしれない。
「僕、もう眠りたいんだ」
「えっ?」
「でも、パパが心配だったの」
私はりんくんの手を強く握り締めると、
りんくんも思い掛けず強く握り返してくれてるように感じた。
でも、本当はそう感じただけだったのかもしれない。
「お姉ちゃん、パパと一緒に居てね?
そしたら、僕、戻ってくるから」
私は涙が止まらなかった。
「本当のママはね、
僕のこと、嫌いだったの。
小さいし、汚い。
アクセサリーにもならない。
可愛くないんだって」
「そんなことない。
りんくん、小さくて可愛いのよ?
それに、優しくて強いわ?
私、りんくんのこと、
大好きよ?」
「お姉ちゃんがママなら良かった」
「これからでも、
ママになれるよ?
だから…」
「でもね、
もう眠りたいの…」
そう言うと、
りんくんは目を閉じてしまって、
手の力が抜ける感じがした。
すると、繋がれてる機械のアラート音が響いた。
私は慌ててナースコールを押した。
寝惚けながらも亮平さんもりんくんの身体を揺すった。
慌ただしく看護婦さんとお医者さんが入ってきて、
私たちは少し離れるようにされる。
私は震えながら泣いてしまっていて、
亮平さんは私を強く抱き締めてくれるけど、
亮平さん自身も泣きながら震えていた。
お医者さんが何かを言っているけど、
私にはその声も聴こえない。
何を言っているのか入って来なかった。
心臓マッサージをしても肋骨が折れて…
とか、
もう、外しましょうか…
と言った声が無機質な感じで流れていく。
亮平さんが、
「判りました。
お願いします…」と言っている。
やがて、機械の音の間隔が広がって、
平坦になる。
0
という数字が目に飛び込んでくる。
目を開いて光を当てたりして、
ゆっくりと時計を見て、
時間を読み上げられる。
とても呆気なく、
りんくんは旅立ってしまった。