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桜が咲く頃逢えたら
第7章 桜咲く中、突然の別離
そして、翌日の葬儀告別式はちょっとした問題が起きた。


喪服姿の元奥様が参列したこと。
しかも、ズカズカと喪主側として亮平さんと亮平さんのお母様が座っている処にやってきて、
いきなり座った。

報道関係者なのか、カメラマンのような方も何人か来ていた。


亮平さんが少し怒った顔をして、何かを言っていたけど、
少し離れていた私や江川さんには聴こえなかった。


手を上げて、
葬儀会社の人を呼んで何かを言うと、
2人の担当者の方が、
元奥様を外に連れ出そうとすると、
白いハンカチを出して大袈裟に泣きながら抵抗する素振りを見せて、
カメラマンのような方にも何かを言っていた。

そして、散々何かを言って、
会場から去って行った。


部屋を出る時に、
私と江川さんの辺りを見て、
睨みつけられてしまった。


クリスチャンの私にとっては、
本当に初めての仏教の葬儀告別式だったので、
小さく折り畳まれたお経が書かれたものを目で追いながら、
文字から感じる意味を考えながら、
とても短かったりんくんの人生に想いを馳せた。



読経の中、お焼香をさせて貰って、
最後まで会場に居た。


その後、控室のような処に行くと、
まだ、元奥様が居て、
正直、驚いてしまった。


「帰ってくれないかな?
りんは、お前には会いたくないだろうから」と亮平さんが言うと、

「どうして?
私、母親よ?
あなたこそ、関係ないじゃない!」と言うのを聴いて、
居たたまれなくなってしまう。


カメラマンさんに向かって、泣いてみせたり、
亮平さんを詰ったりするのを見ていて、
腹が立ってきてしまって、
思わず私はりんくんの最期の言葉を静かに元奥様の耳元で言ってしまった。


ビクッとした後、
みるみる怒りに満ちた紅い顏になる。


「何よ?
あんた、誰?」と言われて、

「りんくんの最期を一緒に看取りました。
もう、お引き取りください」と言ってしまった。


私にもカメラが向けられてフラッシュが焚かれる。


「恐れ入りますが、お名刺、頂けますか?
写真を勝手に使われるようなら、
訴訟を起こしますよ?」と言って、
全員から名刺を貰った。


「そもそも、葬儀の場に入って来ること自体、
非常識ですよね?」と続けると、
全員、部屋から出て行った。



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