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桜が咲く頃逢えたら
第8章 逢いたい
お部屋の暖房のせいか、安西くんがくれたチューリップは一気に開いてしまって、ほどなくハラリと花弁が散り始めてしまったけど、
またすぐに、ミモザの花と幼稚園の近くのお店の焼き菓子を持って安西くんは遊びに来てくれた。
遊びにというより、
様子を見に来てくれたんだろう。
ママは、
「あら。
ここのお菓子、美味しいのよね?
ありがとうね?」と言いながら、
紅茶を淹れてくれる。
そして、
「瑞樹さん、悠介くんと付き合えば良いのに。
それなら、ママ、安心だわ?」と言って笑った。
でも、私は笑えない。
安西くんも困惑した顔をしていた。
その時、電話が鳴って、
ママが出る。
一瞬、間があって、
何も言わずに電話を切ると、
すぐにまた、電話が鳴る。
「亮平さん?」と言いながら、
電話を取ろうとしたけど、
ママがもう一度電話に出ると、
「電話、なさらないでくださいね?」と言って、
また、電話を切って、
多分、着信拒否の設定をしてしまう。
私は震えながら、
「ママ、酷い」と言い残して、
自分の部屋に入って鍵を掛けて、
ベッドに倒れ込むようにして泣いた。
暫くすると、
小さいノックの音がした。
「瑞樹ちゃん、大丈夫?
おばさん、心配してるよ?」
ノロノロと起き上がってドアを開けると、
心配そうな顔の安西くんが立っていた。
「ほら。
この花、部屋に飾ってあげて?」と、
多分、ママが挿してくれた小さな花瓶を渡してくれる。
「ありがと」と言って笑おうとしたけど、
涙がポロポロと頬を伝わって落ちる。
「無理して笑わなくて良いよ?
入っても良い?
ドア、開けておくからさ」と言って、
部屋に入ると、
端っこにある小さなカウチに座った。
私はベッドサイドのテーブルにミモザを置いて、
安西くんの隣に座った。
安西くんはそっと私の手を握ると、
「ドライブでも行く?
気晴らしになるかも。
行きたいトコ、ある?」と言った。
「亮平さんのトコに行きたい。
亮平さんに会いたい」と口にすると、
もう涙は止まらなかった。
「んー。
困ったな。
それは無理だよ?
いや、別におばさんに気を遣ってる訳じゃないよ?
恋仇のトコに、
好きな女の子を連れて行く程、
僕はお人好しじゃないからね?」と安西くんはぎこちなく笑った。
またすぐに、ミモザの花と幼稚園の近くのお店の焼き菓子を持って安西くんは遊びに来てくれた。
遊びにというより、
様子を見に来てくれたんだろう。
ママは、
「あら。
ここのお菓子、美味しいのよね?
ありがとうね?」と言いながら、
紅茶を淹れてくれる。
そして、
「瑞樹さん、悠介くんと付き合えば良いのに。
それなら、ママ、安心だわ?」と言って笑った。
でも、私は笑えない。
安西くんも困惑した顔をしていた。
その時、電話が鳴って、
ママが出る。
一瞬、間があって、
何も言わずに電話を切ると、
すぐにまた、電話が鳴る。
「亮平さん?」と言いながら、
電話を取ろうとしたけど、
ママがもう一度電話に出ると、
「電話、なさらないでくださいね?」と言って、
また、電話を切って、
多分、着信拒否の設定をしてしまう。
私は震えながら、
「ママ、酷い」と言い残して、
自分の部屋に入って鍵を掛けて、
ベッドに倒れ込むようにして泣いた。
暫くすると、
小さいノックの音がした。
「瑞樹ちゃん、大丈夫?
おばさん、心配してるよ?」
ノロノロと起き上がってドアを開けると、
心配そうな顔の安西くんが立っていた。
「ほら。
この花、部屋に飾ってあげて?」と、
多分、ママが挿してくれた小さな花瓶を渡してくれる。
「ありがと」と言って笑おうとしたけど、
涙がポロポロと頬を伝わって落ちる。
「無理して笑わなくて良いよ?
入っても良い?
ドア、開けておくからさ」と言って、
部屋に入ると、
端っこにある小さなカウチに座った。
私はベッドサイドのテーブルにミモザを置いて、
安西くんの隣に座った。
安西くんはそっと私の手を握ると、
「ドライブでも行く?
気晴らしになるかも。
行きたいトコ、ある?」と言った。
「亮平さんのトコに行きたい。
亮平さんに会いたい」と口にすると、
もう涙は止まらなかった。
「んー。
困ったな。
それは無理だよ?
いや、別におばさんに気を遣ってる訳じゃないよ?
恋仇のトコに、
好きな女の子を連れて行く程、
僕はお人好しじゃないからね?」と安西くんはぎこちなく笑った。