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バーチャルラブシュミレーション
第1章 50年の時が流れて
<平成30年卒業、友引中学卒業生、同窓会のお知らせ>
そんなものが舞い込んだ。
これは、懐かしい。
僕はもちろん参加することにした。

ただ、少しわだかまりはある。
初恋の相手の女子と会うのが、なんだか気まずい。卒業式の前日、彼女から呼び出されたのに、僕はすっぽかしてしまったのだ。断るつもりはなかったが、ちょうど職員室に呼び出されるのと重なり僕は後者を選んでいた。
実はこれには裏があり、僕は当時、学年一の巨乳女子にうつつを抜かしていた。その初恋の子に次いで好きになった女子である。僕はけっきょく、その巨乳女子を相手に選ぶ選択をしていた。
(ただその巨乳女子とは、その後、結婚しなかった)
《彼女(初恋の子)を選んでいたら、どうなっていたのか》

同窓会場に到着した。

全員65歳。
驚いたことに、同じクラスの男子が僕以外に11人いたのだが、全員が他界していた。
確かにこの50年間は、とんでもない出来事が多かった。
マグニチュード10クラスの超巨大地震もあったし、外国からミサイルが飛んできて戦争になったこともあった。
僕は幸い生き残れたが、国の人口の半分が失われている。

同じクラスの女子は、12人全員が生き残っていた。
「大安くん、生きててよかったね♡」
声をかけてきたのは、見た目麗しい美形の老女。年老いているが、すごい美貌だ。
誰かな?
「私のこと、忘れたの?ねずみよ、ねずみ」
ネズミ?
あ…!あのアルバム写真の超絶美少女、根住(ねずみ)佳子(よしこ)さんだった。

それにしても根住さん、僕を下の名前で呼ぶなんて、なんだか僕に気安すぎやしないか?それほど接点があったわけでもなかったのに。
僕は、はやる心で周囲を見渡した。
初恋の子は、いた。50年前と変わらぬ整ったきれいな顔だち。身長も低いまま。ただ、車いすで参加していて、表情も陰鬱な感じである。
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