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調教物語~ある男の性癖~
第1章 深夜のジョギング
時計は深夜1時を指していた。
男は三本線がトレードマークの
ジョギングウェアのパンツとトレーナーに身を包み
これまた同じブランドのスポーツキャプを
目深に被った。
彼には拘りがあり
スポーツウェアは前述のブランドを好んだが
シューズだけはスウォッシュマークのナ○キを
こよなく愛した。
タオルを首に掛けると
彼は姿見のミラーに自分の姿を写した。
『どこからどう見てもジョギングランナーだな』
彼は満足げに頷くと
お気に入りのシューズを履いて
深夜の街に飛び出した。
近隣の誰かに見られても
健康のためにジョギングをしているのだなと
そう思わせるために
数百メートルは軽快に走った。
彼の名は椎名武郎(しいなたけろう)
小さいながらも
名の通った飲料会社のセールスマンだ。
大学には行かずに
高卒で社会人になった彼のサラリーは安い。
だが、これといった趣味もないので
薄給であろうとも
それなりの生活水準を維持していた。
深夜の街を走るのは
健康のためでも体力維持のためでもなかった。
そう、彼は狩りをするのが目的だった。