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調教物語~ある男の性癖~
第18章 分岐点
翌朝、
武郎、寺嶋の二人は
昨日と同じスーツ、同じネクタイ、
同じワイシャツを着用して出社してきたことで
互いに昨夜、あれから帰宅せずに
どこかでお泊まりしてきたのを詮索した。
営業部の面々は
二人が目の下にくっきりとクマを作っていたので
営業の成功に気をよくして
祝杯をあげて深酒をしたのだろうと思った。
「ふん、お泊まり出勤とは豪勢だな」
トイレで武郎と顔を合わせた寺嶋が
俺のことも聞けよとばかりに
武郎に絡んできた。
「人のことを言えた義理か?
お前だってお泊まりしたんだろうが」
武郎は、寺嶋はあの後、酔いつぶれて
店を追い出されて
どこかで野宿でもしたんだろうと
思っていた。
「お前はあの後、あの女をお持ち帰りしたのか?」
寺嶋にそう聞かれて
はい、そうですと答えようものなら
嫉妬してしまい、
この後の仕事が気まずくなると考えた。
「いや、久々に深酒をしてしまい
家に帰るのもしんどくて
ネットカフェで一夜を過ごしたよ」
「なんだ、それなら俺も付き合ってやったのにさ」
武郎が佐智子と深い仲になっていないと信じ込み
置いてきぼりを食らったおかげで
ママさんといい想いをできたとほくそえんでいた。