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調教物語~ある男の性癖~
第19章 バレた副業
加菜恵が会社に戻ると
総務部長が加菜恵の元へ飛んできた。
「どうだったね?
金沢さんは落ち着いていたかい?」
「ええ、ちゃんと彼女の事を
守ってくれる方がいてるさかいに
大丈夫やと思います」
そうかい、そうかい、それは一安心だ…
それよりもだ、と
総務部長は頭を切り替えて
「伊藤くん、
君、今夜は残業してもらえないかな?」と
ファイルバインダーを小脇に抱えて
加菜恵に猫なで声でそう言った。
「あいにくと今夜は先約があるんで
残業はでけへんわ」
今夜は副業であるSMクラブへ
行かなくてはならなかった。
「え~?そうなのかい?
いやあ、まいったなあ…」
総務部長は心底まいっていた。
金沢咲希がああいう事になって
会社を休むことになったし
自分がいない間に大槻が早退届を
机の上に置いて帰ってしまったのだから
仕事が山のように押し寄せていた。
人徳がないのか、
一人一人に残業をお願いに回っても
誰一人残業をしてもよいという
色好い返事をもらえていなかった。
「仕方ない…
久しぶりに俺がやるか…」
最近は老眼がひどくなってきたので
できればパソコン入力はやりたくないというのが
彼の本音だった。