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調教物語~ある男の性癖~
第20章 転勤
咲希が大槻と
加菜恵が総務部長と
それぞれが肉体関係を結び
少しずつ武郎から離れつつあった。
そんな折、
武郎は営業部の岩下裕美子部長に
第二応接室へ来てほしいと連絡を受けた。
コンコン…
応接室のドアを軽くノックすると
「どうぞ、お入りになって」と
部屋の中から涼やかな声がした。
応接室には岩下女史が脚を組んで
綺麗な美脚を
武郎に見せびらかすように座っていた。
「失礼します…」
応接室のテーブルには
一面に資料が散乱していた。
「お座りになって…」
手にした資料のファイルに目を落としたままで
ペンを持つ手で対面のソファに座れと
岩下女史は命じた。
「あの…何か私にご用でしょうか?」
そう尋ねてから
用があるから呼び出されたのだと
武郎は我ながら野暮な質問をしたと恥じた。
これを見て頂戴
岩下女史は手にしたファイルを武郎に差し出した。
「失礼します」
ファイルを受け取り
ざっと目を通しただけで
それが業務成績表であることを理解した。
「わかる?
関西圏の売り上げが大幅に落ちているわ」
「みたいですね」
この時期、飲料水の売り上げは
どこの支社も落ち込む。
中には本数だけを維持したくて
量販店に原価ギリギリで納める支社も少なくない。
あの手この手で、
どうにか売り上げを維持するのに必死だ。
その中でも関西圏、
とりわけ大阪支社の落ち込みがひどい。