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第23章 放し飼い

「しかしちょっと待て、
加菜恵は本当にこんなオヤジでいいのかい？
年齢だって二回りも違うじゃないか」

「歳の差なんて関係ないわ
私、この人についていくって決めたの」

加菜恵はキッと覚悟を決めた目で
武郎を見つめ返した。


「ハハハハ…
お前、こんなオヤジのセックスで
我慢出来るのかい？」

「少なくともあなたより
素敵なセックスをしてくれるわ」

くそっ！
忌々しいじゃないか！
こうなったら洗いざらいぶちまけてやる！

「いいかオッサン！
この女はな、とんでもない淫乱なんだぜ！
SMクラブで縛られて叩かれて悶えるんだぞ？
そんな女、手に負えなくなるぞ」

総務部長に向かって加菜恵の性癖を暴露した。

「君こそ彼女の一面しか
知らなかったんじゃないのか？
加菜恵はノーマルだよ
生活のためにM女を演じていただけさ」

そう言って総務部長は
加菜恵の腰を抱いて引き寄せた。
目を離せば互いに見つめ合って
キスでもしそうなムードが漂った。


「ああそうかい！
後で俺のチンポが
恋しくなっても知らないからな
まあ、せいぜいしばらくは
ままごと遊びを楽しみな！」

武郎は、そう言い放つと
二人に背を向けて屋上の階段を掛け降りた。

惨めだった…
ジゴロを気取ってきたのに
とんだピエロに成り下がったことを
武郎は心から恥じた。