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調教物語~ある男の性癖~
第24章 大阪の女

寺嶋と呑み合うのも最後だということで
あの夜は浴びるほどに呑んだ。

寺嶋といえば最後には足腰が立たず
「俺はここに泊まるから
武郎は気をつけて帰るんだぞ」と
半ば強制的に店を追い出された。

『ふん!どうせ俺を追い払ってから
ママさんとハメ合うつもりだろうが!』

腹いせに帰り際に
「安定期になるまで激しく突くんじゃないぞ」と
捨て台詞を残して帰路に着いた。

さて、来週からは
本格的に大阪での業務が待ち構えている。
そう思うと東京の街並みも
これが最後だと感傷的になり、
タクシーの中でそっと涙を浮かべた。



今までの部屋で要らない家具や衣類を処分すると
大阪に持っていく荷物は
大きなトランク一つに収まってしまった。

『俺ってつくづく不必要な物に
囲まれて生活していたんだな…』

まるで人生そのものではないかと思うと
なんだか無性におかしくなって
新幹線の中で一人クスクスと笑い出してしまった。

「いやね~…
どうせ東京の女と
ヤりまくっていたことでも思いだし笑いしているんでしょ」

隣の席の岩下裕美子が
ニヤニヤしている武郎を叱った。

「いえ、そんなんじゃないですよ
これから貴女との生活が始まるのだと思うと
楽しくて仕方ないんです」

口から出たでまかせだったが
男女のシェアルームなのだから
毎晩のように愛し合えると思うと
案外と出まかせでのセリフでもなかった。


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