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調教物語~ある男の性癖~
第27章 岩下裕美子の過去

武郎に一通り話し終わると
憔悴したかのように
武郎を抱いていた手から力が抜けて
ペタンとフロアに尻もちをついた。

悲惨な恋愛をしたんだな…

武郎は裕美子にかける言葉を失っていた。

「私ね…お腹が弛いの…
刺激物を食べたり冷たいものを食べると
すぐお腹を下しちゃうのよ…」

だから…アナルセックスはもうやめてほしいの…

裕美子は自身の体全てを武郎に捧げることが出来ないと
膝を抱えて泣きじゃくった。

「そうとも知らずに悪かった…」

だからもう泣くな

裕美子の頭をポンポンと叩くと
タバコを手にして部屋から出ていこうとした。

「どこへ行くの?
お願い…私を捨てないで…」

「安心しろ、アナルセックスが出来ないぐらいで
お前を捨てたりしない
無理やりアナルセックスをして悪かった…
俺、ちょっと外へ出て頭を冷やしてくるよ」

着衣を済ませ
タバコをポケットにねじ込むと
財布とスマホだけ手にとって
あの日の裕美子のように
一人で静かに夜の街に飛び出した。


深夜の街は深々と冷えていた。
薄着で飛び出したことを武郎は少し悔やんだ。

近くの公園のベンチに腰かけて
タバコを咥えて火をつけた。
フーッと煙を吐き出すと
暗い夜空に紫煙が勢いよく空に舞い上がった。





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