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調教物語~ある男の性癖~
第27章 岩下裕美子の過去

「おらっ!舌でペロペロして綺麗にするんだよ!」

新沼に髪の毛を鷲掴みにされて引き上げられる。
強く引っ張られたので頭皮からブチッブチッと
髪の毛が引き千切られる音がした。

「舐めます…!舐めますから痛くしないで…」

裕美子はおずおずと口の中のペニスに舌を添えた。
たちまち今まで口にしたことのない苦味が
口の中いっぱいに広がってゆく。

「ウゲっ!うぐっ!!」

吐き気と共に酸っぱいものが胃袋から遡ってきた。

たまらずにペニスを吐き出すと
急いで洗面台へ向かった。

「ウゲ~ッ!おえ~ッ!」

胃袋からの逆流で
喉が痛くなってゆく。

水道の蛇口を捻って
流れ出る水流を手で掬って
何度も口に注いで嗽(うがい)を続けた。

少し落ち着いて振り替えると
新沼がベッドの汚物を指差して
「どうすんだよ!これ!」と裕美子に罵声を浴びせた。

「寝れないじゃないか!」

いたわる言葉など知らぬように
新沼は裕美子をなじるばかりだった。

シーツをベッドから剥がして
それを丸めてごみ袋に詰めた。

裕美子を見下すように冷たい視線を浴びせて
新沼はなにも言わずにバスルームに向かって
自分のイチモツだけを丁寧に洗った。

『もうこの人とは一緒に暮らせない…』

バスルームのシャワーの音を聞きながら
素早く着衣を済ませると
財布とスマホだけを手にして部屋を飛び出した。


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