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調教物語~ある男の性癖~
第29章 社内での情事

情事を終えた武郎と佐智子は
シャワールームで互いの体を洗い合った。

「ねえ…これからも時々でいいから
こうして会って私を抱いてよ」

「勿論さ、
今日一度だけで俺が満足すると思うかい?」

武郎の脳裏には
早々に岩下裕美子との同棲を解消して
佐智子と一緒に住みたいという欲望が芽生えてきた。

「お前、本当に誰とも付き合っていないのか?」

「なぁに?焼きもち?」

うふふと佐智子は意味深な笑みを浮かべる。

「男がいるのなら諦めるが
もし、いないのなら近々俺と暮らさないか?」

「えっ?それって…プロポーズ?」

佐智子に言われて「ハッ!」となった。

結婚という文字には縛られたくはないが
深層心理ではそれを望んでいるのかもしれないと
武郎は佐智子の問いかけに否定はしなかった。

「じゃあ…リングを買ってよ
ティファニーがいいわ」

ティファニーのリングが高価なのか安価なのか
武郎には予想も出来なかったが
プレゼントするよという意思表示で
佐智子にキスをした。


午後に会社に戻ると
岩下裕美子に呼び出された。

「朝からどこに行っていたの?
何度もスマホに連絡したのに」

会社に束縛されたくないと
佐智子と会っているときには
スマホの電源を落としていた。

「すいません、ちょっと重要な案件で
スマホの電源を落としてました」

「まあいいわ、
今後、マナーモードにして
必ず連絡が取れるようにしておいてよね」

当然だった。
自分でも営業部の部下たちにはそう言うだろう。



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