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調教物語~ある男の性癖~
第30章 佐智子との永遠の別れ
勤務時間が終わると
真っ先に立花は営業部の部屋を飛び出して行った。
課長たるものが
女の事になるとあんなにイソイソと
残業をしている部下を尻目に席を立つのも
いささか考えものだなと
武郎は嘆かわしく思った。
いや、東京本社の営業部にいる頃の
自分もそうだったかと
過去を振り返って思い出し笑いをしてしまう。
「本部長、今夜はまっすぐご帰宅ですか?」
愛弓の目が妖しくなっていたので
抱いてほしそうなのが
手に取るようにわかったが
いくらなんでも三日連続で午前様だと
ルームパートナーの裕美子が許してくれまい。
「ああ、今夜はゆっくりとさせてもらうよ
何せこっちに来てから
少し慌ただしい時間をすごしすぎたからね」
「ふ~ん…そうなんだ…」
武郎の横を通り抜ける際に
愛弓はおもいっきり武郎の尻をつねった。
「痛てっ!!」
「私の心はもっと痛いんですよぉ~だ!」
慌てて振り返ると
愛弓が「あっかんべ~」と舌をだしていた。
『ふん、可愛い奴め』
モデル並みのスタイルに
女優を彷彿とさせる美貌…
なのにこれほどコケティッシュな女は初めてだ。
一つ一つの動作に
武郎は愛弓の虜になってゆく。
しかしだ…
今夜は裕美子とのんびりさせてもらうよと
武郎は愛弓に軽く手を振り帰宅の途についた。