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調教物語~ある男の性癖~
第30章 佐智子との永遠の別れ
二人の魂は別世界をさまよっていた。
生体離脱というものがあるのなら
まさにこの事だと武郎は感じた。
そっと手を伸ばして
裕美子の乳房を揉んだら
まだ逝った余韻に浸りたいのか
「ため…」と拒んできた。
裕美子はそっと下腹部を撫でて
受胎を祈った。
だが、何度計算しても
今夜は排卵日ではない。
『いいわ…こうして武郎と同棲していれば
いつか必ず妊娠するわ…』
先の事など、どうでもよかった。
ただひたすらに武郎との愛の結晶を
宿すに決まっている。
セックスの余韻から現実に引き戻したのは
けたたましく鳴り響くドアホンの音だった。
『こんな夜更けに?』
武郎はまだ「はあはあ…」と荒い呼吸をしている。
仕方なくガウンを羽織って
裕美子はドアホンのボタンを押した。
不細工な男のドアップが
ドアホンの画面に写し出された。
「いやあ~、夜分に恐縮です
こちら○○ドリンクの
営業部長さんの椎名さんのお部屋で
間違いないでしょあか?」
不細工な男の顔面が遠退き
代わりに警察バッチが画面に写し出された。
「はい…椎名の部屋ですが…
あの、いったいどのようなご用件でしょうか?」
「ちょっとお邪魔してよろしいでしょうかな?」
不細工な男の声には
何がなんでも部屋へ押し入るぞという気配があった。