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調教物語~ある男の性癖~
第30章 佐智子との永遠の別れ

それから一週間…

武郎はほとんど食事もせず
会社を休んで寝室のベッドの上で
時間を過ごした。

目を閉じることさえ辛かった。
目を瞑ると
佐智子と戯れた時間が
走馬灯のように流れた。

「あなた…少しはお腹に何か入れて下さいな…」

裕美子がスープを作って寝室に届けてくれた。

一口だけスープを啜ると
それだけで残りは胃袋が受け付けなくなった。

「会社の方はどうなっている?」

裕美子に尋ねてみると
やはり営業部は蜂の巣をつついたように大騒ぎで
犯罪者のいる会社との付き合いはやめたと
得意先が逃げ初めているようだ。

「こんな時こそ、
俺が営業部をまとめないといけないのに…」


悩んだ挙げ句
武郎は辞表を提出することにした。

「会社に出向いて
ちゃんと支社長に手渡すべきなんだろうけど…
とてもじゃないけど行けそうもないよ」

辞表を手渡された裕美子は
心を鬼にして武郎を叱咤した。

「あなたが腑抜けになったところで
佐智子さんという女性は帰ってこないのよ!
あなたのそんな姿を佐智子さんは見たくないはずよ」

「なぜ君はこんな俺に尽くしてくれるんだ?
俺は君がいながら
佐智子にも愛情を注いでいたんだぞ?
裏切られたとは思わないのか?」

「裏切りや、裏切られるという
そんな低次元はどうでもいいの!
私はあなたを愛している
あるのはその事実だけよ!」

裕美子の言葉も
今の武郎の心には響かなかった。

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