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サトシのHなエッセイ
第31章 なぁ、ええやろ?③
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雨が上がった。
街の外れの方から、歩道越しに虹の根元が薄っすらと見える。

「う~ん・・・・」
私は大きく伸びをして、ヤツの方に振り向いた。

「フフフ・・・」
憎らしい笑顔が、少し、嬉しい。

「耳くそ・・・又、たまったら、おいで・・・」
「ば、ばか・・・・」

ヤツの言葉に、私の顔は真っ赤になっていたことだろう。
何故なら、タップリ可愛がってもらったせいで、未だにジンジンしているからだ。

両方の耳の穴と。
別の・・・・。

私は思いきり、しかめ面をして別れを告げた。

「この、腐れジジイ!」

ヤツは笑顔のまま、いつまでも見送ってくれていた。

駅までの途中、歩道に植えられた樹木から鳥が一羽、飛び立った。
濡れた葉から水のしずくが降り注いだ。

見上げると、樹木の上から太陽の光が筋を作っている。
次の雨の日は、いつ頃になりそうだろうか。

私はふと、そう思った。





「なぁ、ええやろ?」(完)


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