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Start Over Again
第10章 恋人というのは

「あー…もうっ、かわいすぎ……入れるね」

そう言葉が耳に届いたときには硬いモノが入ってきていて、先端が子宮の入口をやさしくノックした。

「けいちゃん、チューしよ」

舌を絡ませ合いながら、朔ちゃんはトントントンとゆっくり動く。
それだけなのに脳が溶けそうなほど気持ちいい。
それに気づいた朔ちゃんの動きが徐々に速くなっていく。

…あ…また…。

ナカが震えると朔ちゃんが唇を離した。

「けいちゃんっ、愛してるっ」

再び唇をふさがれたあと、朔ちゃんの動きがしばらくして止まり、奥が満たされてく感覚に目を閉じた。

「さくちゃ…あい…してる…」

そう口にしたつもりだけど、声に出ていたかはわからない。
体が重くて目も開けられないから、朔ちゃんがどんな顔をしてるかもわからないけど

「おやすみ…けいちゃん…」

声色がやさしくて、安心して私は深い眠りについた。



__



「朔ちゃん…?」

リビングを行ったり来たり落ち着かない様子の朔ちゃんに声をかけると、余裕のない顔でこちらを見る。

「けいちゃん! 服ほんとにこれで大丈夫!?」

「うん、似合ってるよ」

「髪型は! 変じゃない!?」

「うん、変じゃないよ」

「ああああぁ……緊張する……」

めずらしく朔ちゃんが弱々しい声をもらしている。
なぜかというと、今日は私の母と妹と初めて会う日だから。

「大丈夫だよ、2人とも朔ちゃんに対して好印象だから」

「好印象だったのが、今日会うことによって悪くなったらどうしよ…」

「もー、そんなに自信ないの? 私と笑って暮らしていくんでしょ?」

「うん……けいちゃんの笑顔を守りたい」

なんか…どっかのCMとかで聞いたことありそうなセリフだな。
そんなことを考えているとインターホンが鳴った。

「もし何かミスしても、大丈夫。またできることなら…もう一度、やり直したらいいんだよ」

「うん…やらかさないことを祈ってて」

「ふふ。ほら、インターホンでるよ!」


人生は、一度きり。
誰だってミスしたり間違えることもある。

そのときは、最初からやり直してみてもいいんじゃない?



*****

―― 終 ――

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