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Start Over Again
第3章 契約書

リビングに戻るとソファーに座っている咲子と目が合った。
朔ちゃんは…なぜか、床に正座してガックリと頭を垂らしている。

何があったのよ…と思いながら
「解決したの?」と咲子にたずねると
「うーん、そうだねぇ…。まぁ……これは、けい次第かな」とよくわからない返事。

「全く話がみえないんだけど?」と肩をすくめると
「けい、落ちついて聞いてね?」と咲子は急に声のトーンを落として真面目な表情をする。

「簡単に言うと、ここにけいと朔が二人で住むの」

……はい?

「けいは左の部屋、朔は右の部屋ね。家電製品は最新のものを用意したから安心して使ってね」

「待て待て。違う、聞きたいことが違う」

「ん~??」

すっとぼけた声を出して目をそらす咲子にまだ落ちついた状態で近づく。

「なにが、どうなったら、朔ちゃんと私がいっしょに住むことになるわけ?」

「えっと…気づいたら?」

「答えになってない」

「じゃあ、運命?」

「…咲子。話す気ないの?」

はぐらかす咲子に、私が声のトーンを落とす番。
これは私がそろそろ怒りますよ、という合図。

「ちょっ、怒らないでよっ。ちゃんと話すから!」

それを知ってる咲子は焦って私へ視線を戻した。

「実は……私のミスでダブルブッキングしちゃって」

「なにそれ」

初めて耳にする単語に首をかしげる。

「本当は朔は209号室に住む予定だったんだけど、それをすっかり忘れてて、二ヶ月前に別の人と契約しちゃったの」

「えぇーー…」

まじかよ…とドン引きした気持ちがもれる。

「契約した以上、どうすることもできなくて、その人には契約通り住んでもらってるんだけど……じゃあ次は朔をどうするかって話になって」

咲子の話を聞きながらちらっと目だけを朔ちゃんへ向ける。
まだ正座をして頭を垂らしたままだ。

「他のマンションにするかって決めかけてたときに、この210号室の前の住人が退去するってわかって、朔が住むとこが決まって。それから……えっと……その……」

咲子がめずらしく口ごもってる。

え、どうした? と思いながら続きを待っていてハッとする。
まさか、私が住むところどうしよう~って話したから!?
私に対して甘々な咲子なら、十分ありえる。

「……もしかして、私のせい?」

そうだとしたら、朔ちゃんに謝らなきゃなのは、私だ。

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