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午前十時を過ぎたなら(恵の選択)~義父との秘密が始まる
第7章 約束
「ひゃー、濡れたなー・・・」

ずぶ濡れになった義父の首筋をハンカチで拭いてやりながら恵はクスッと笑った。

義父の意外な一面を見た気がしたのだ。
尚も見つめてくる恵の視線が啓介の顔を更に赤くした。

その顔を悟られぬ内にと、上着のポケットにしまい込んでいた物を無造作に差し出した。

キョトンとしている嫁の顔から逃げるように言葉を残して、階段を昇っていった。
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