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午前十時を過ぎたなら(恵の選択)~義父との秘密が始まる
第7章 約束
「あ、あの・・・な。
これ、今通うとる飲み屋の女にな・・・
やろ思て、こうてきたんやけど。
やっぱ、勿体無いよってアンタにやるわ。
昨日・・結婚記念日やったやろ・・・?
安もんで悪いけど」

返事をする暇も与えず、義父は去っていった。

雨で染みが出来た包み紙を握りしめて暫らく呆然としていた恵であったが、やがて形の良い唇から白い歯を見せると呟いた。

「お義父・・・さん・・・」
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